緊迫と重圧に耐えられるか? 最先端SFなのに心に深く突き刺さる #プロジェクト・ヘイル・メアリー
上巻レビューからの続き。
ここからは、本作の絶賛の推しポイントです。
■登場人物 ストラット
彼女の覚悟と勇気を称えたいです。
わたしが子供の頃は、1999年に大魔王が空から降ってくる。といった、ありもしない噂話が世間を騒がせてました。でも当時は凄く怖くて、その時がきたらどこに逃げようか考えたものでした。
大人になって、さすがによくある終末論を怖がることはなくなりました。
しかし戦うことは、大人になった今でもできないでしょう。
頑張れば家族のために戦うことはできるかもしれません。しかし地球のために戦うことはできるのか… 私ならきっと重圧につぶされてしまいます。
彼女のように、どんな状況でも胸を張って生きてみたいです。
■バディとの絆
本作の一番の読みどころ。
主人公はこんなにも熱い仲間と一世一代の大勝負をかけれるなんて幸せですね。
私も日ごろ仕事に従事するにあたり、仲間たちとチームを組んで挑んでいます。
こんなにスケールの大きな仕事はできないでしょうが、仲間を信じる力、助け慈しむ想い、勇敢にチャレンジすることなど、とても大切なことを学びました。
■ラストシーン
全然関係ないんですが、今日、とある自殺者の記事を読みました。
彼女にどんな辛いことがあったのか、私にはわかりませんし、何もしてあげられなかった。薄っぺらい倫理観を振りかざすつもりもありません。
本作はもちろんリアルな話ではない、いわゆるエンタメのSF小説です。
しかし本作ラストシーンを読むと、私は涙が止まらなかったし、人はどんな困難な状況、考えもしなかったような変化であっても、きっと前向きに生きていけると思えるのです。
別に地球を救わなくとも、目の前のたったひとつのことに前向きになってほしい。
本作、海外SFですが読みやすいですし、壮大なSFエンターテイメントの傑作だと思います。超絶にオススメです!
- 感想投稿日 : 2022年9月19日
- 読了日 : 2022年9月18日
- 本棚登録日 : 2022年9月18日
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