殺人鬼フジコの衝動 (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店 (2011年5月7日発売)
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本棚登録 : 9896
感想 : 1295
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自分都合で次々に人を惨殺していくフジコに打ち震える… 圧倒的な業の深さを堪能せよ! イヤミス度MAX!

不幸な環境で育った少女が、自身の幸せのために次々と惨殺を繰り返していく、超嫌な気分になるミステリー。

ストーリーの構成が凝っていて面白いっ
ミステリー好きにはたまりませんね。最後の最後まで読者を楽しませてくれる仕掛けで最高です。で、結局誰がどうなったんだ? と読み返してみると、悪者と不幸ばっかりでビビりました。

本作の魅力は、なんといってもフジコのキャラクターですね。業が深く、自分の幸せへの執着が強すぎる感じが、いやー怖い。登場人物の描き方が潔く、狂った情念がビシバシ伝わってきました。素晴らしい!

しかし気持ちはわからんでもないが、人から金品や命まで奪って、どうして自分が幸せと感じるんでしょうか。どんなに不幸な環境だろうが、自身で幸せを生み出そうとしないと、必ず転落しますよ。あー説教臭い。

自分もイヤミス作品をそこそこ読んできましたが、圧倒的ストレートに嫌な気分にさせてくれる作品でした。あ、これ誉め言葉です。

嫌いな人もいるでしょうが、わかりやすいイヤミスとして是非お勧めしたい一冊です。続編もあるようですので、読まなきゃです!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2022年2月24日
読了日 : 2022年2月23日
本棚登録日 : 2022年2月23日

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