江神二郎の洞察 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社 (2017年5月28日発売)
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本棚登録 : 903
感想 : 64
5

若き学生時代の日常ミステリー、緻密な推理の凄さとフレッシュな仲間達が素敵すぎ! 学生アリス短編集、シリーズ第5弾。

本シリーズの主人公である新大学生となった主人公が、様々な事件や変わった出来事に巻き込まれる短編物語集。主人公のアリスが推理小説研究会に入ってから、マリアが参入するまでの約一年間のストーリー。

いやー、やっぱり学生アリスシリーズは最高っすね。また月光ゲームから読みなおしたくなりました。今はライト文芸と本格ミステリーを組み合わせた作品がたくさんありますが、起源はこのシリーズですよね。新本格第一世代の貢献ぶりったら、すさまじいと思いました。

どの話もどっぷり本格ミステリーで面白すぎ! ホームズの赤毛連盟ばりの推理が次々と体験できます。
作者のデビュー作である「やけた路線の上の死体」なんてもう最高、これ普通に長編で一冊できますよね。作中作、そしてミステリ議論がされる「除夜を歩く」も、すげー面白かった。これ以上言いようがない、まさに"ミステリーを楽しませてくれる"という作品です。

そしてなんといっても四人の登場人物ですよ、みんな真面目で可愛い。そして部長の切れ味が凄まじすぎ。最終話でマリアが登場しますが、ここから孤島パズルに繋がっていくんすね~

若干の思い出補正もあって、ほめ倒しですが、学生アリスシリーズはマジ面白いので本格ミステリー好きにも関わらず、まさか読んでない人がいれば、今すぐに読みましょう。まずは月光ゲームからです、そして3作目の双頭の悪魔はもう芸術の域です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 本格ミステリー
感想投稿日 : 2022年1月26日
読了日 : 2022年1月26日
本棚登録日 : 2022年1月26日

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