アーサー王伝説の起源: スキタイからキャメロットへ

  • 青土社 (1998年9月1日発売)
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感想 : 4
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アーサー伝説ケルト起源説に殴り込みをかけた研究書。映画「キング・アーサー」の騎士たちが大陸の遊牧民という設定は、この研究からきている。<br />
スキタイの伝説の中にある、ランスロットのもとネタとその変遷が大変興味深い。(ランスロットは中世ロマンスでも登場が遅く、ケルト伝説にもうまく対応するキャラがいないために外から来たのではないかという説もある。反面ランスもケルト起源だとする説も多々あるのだが。)他にもバドラズの剣とエクスカリバーの関係、Lady of the Lakeに相当するキャラクターなど、おもしろいネタが多いので、アーサー王伝説に関する基礎知識とケルト系伝説の知識があればおもしろく読めるだろう。<br />
ただし起源は何か? というのは最終的には読者の解釈の問題になるわけだし、別方面のアプローチの研究書とあわせて読むことを薦める。後続研究が待たれる。<br />
映画「キング・アーサー」で興味をもって、いきなりこの本に手を出すのはかなり無謀です(笑)

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 研究書・解説書
感想投稿日 : 2006年12月12日
本棚登録日 : 2006年12月12日

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