「1985年8月12日、群馬県の御巣鷹山に日航ジャンボ機が墜落した。乗客韻524人のうち、520人もの命が失われた。前代未聞の事故を題材にかいたこの小説は、報道にたずさわった地元の新聞記者の苦闘を描く。
メディアの本質をえぐる問題も示される。新聞は遺体が錯乱する現場の真実を伝えたか。人命は等しく重いと言いながら、人を選別し、命の軽量をはかり、その価値観を押し付けてはいないか。
あたえられた使命にひたむきに取り組む姿は時にぶざまだが、胸をうつ。「今」と格闘する者たちの物語である。
著者、横山秀夫は群馬県の上毛新聞の記者だった。日航機が御巣鷹山に墜落したときには現場にいき、1カ月半を過ごした。多くの記事を書いたはずだが、「手も足も出なかった」とふりかえる。作家になり、小説で再びこの事故と向き合った。「クライマーズ・ハイ」の出版は2003年。「記録でも記憶でもないものを書くのに、18年の年月が必要だった」と語った。」
(『いつか君に出会ってほしい本』田村文著の紹介より)
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カテゴリ:
9類 文学
- 感想投稿日 : 2023年11月1日
- 本棚登録日 : 2023年11月1日
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