ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを

  • 早川書房 (1982年2月28日発売)
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感想 : 7

「聞きたまえ! 億万長者にして浮浪者、財団総裁にしてユートピア夢想家、慈善事業家にしてアル中である、エリオット・ローズウォーター氏の愚かしくも美しい魂の声を。隣人愛に憑かれた一人の大富豪があなたに贈る、暖かくもほろ苦い愛のメッセージ……現代最高の寓話作家が描く、黒い笑いに満ちた感動の名作!」

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池澤夏樹・選 カート・ヴォネガット
①『猫のゆりかご』(伊藤典夫訳/ハヤカワ文庫)
②『スローターハウス5』(伊藤典夫訳/ハヤカワ文庫)
③『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』(朝倉久志訳/ハヤカワ文庫)
「カート・ヴォネガットは圧倒的に若者の作家だった。アメリカ文学に特有のイノセンスが彼にはあった。若者は社会のありかたについて疑問を突きつけ、改革を夢見る。だから彼はアメリカに社会主義を、と言った。言ってみれば明るいペシミスト。第二次世界大戦の捕虜体験と冷戦の非常な論理を見て人間性に絶望するけれども、その絶望を手を替え品を替え、陽気に、愉快に、皮肉に、SFを使い、寓話を使い、とんでもないストーリーを考案して苦い笑いと共に語る。

『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを』は、富豪に生まれついたことを悔やみ、それと誠実であることを両立させようと必死で奉仕活動をする男の話。常識のある人々には彼のふるまいはすべて狂気の沙汰と見える。だが、狂気は社会の側こそにある。」
(『作家が選ぶ名著名作 わたしのベスト3』毎日新聞出版 p86より)

読書状況:読みたい 公開設定:公開
カテゴリ: 9類 文学 
感想投稿日 : 2024年3月30日
本棚登録日 : 2024年3月30日

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