数学嫌いな人のための数学: 数学原論

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  • 東洋経済新報社 (2001年10月1日発売)
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数学というより論理学、経済学の本。
ピグーの論理=古典派経済学の命題。=市場を自由競争に任せておけば、経済はうまくいく。
その待遇は、経済がうまくいかないのは、市場は自由競争になっていないから。
大恐慌の時、ピグーは、労働力市場は、労働組合、法律などで自由競争になっていない。だから経済がうまくいかない、と考えた。
金融危機のときは、預金保護制度が自由を阻害していると考えた。預金保護制度によってモラルハザードが起きている。
ケインズの有効需要の原理は方程式、古典派のセイの法則は恒等式。

リカードの大発見=比較優位説。差額地代説、限界効用説や限界生産力説のはしり、労働価値説。

セイの法則=Supply creates its own demand.
古典派経済学では、公理=恒等式。資源の最適配分が実現する。ベストとは資源の最適配分のことをいう。
失業者の存在は一時的なもの。

有効需要の原理 Y=C+I。Yはyield生産物の略。消費と投資の和。Yは需要で決まる=恒等式ではなく方程式。恒等式と考えると、セイの法則になる。貯蓄がすべて等しに回った状態。生産が少ない状態、クラウディングアウト(締め出し)の状態。資金で投資ができない状態。

クラウディングアウトがあればセイの法則が成り立つが、ケインズは供給側を問題にしないのでクラウディングアウトを無視した。

合成の誤謬=貯蓄を殖やすと消費が減り有効需要が減少する。その結果生産も減る。個人を富ます貯蓄は経済全体を貧しくする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養
感想投稿日 : 2024年3月31日
読了日 : 2024年3月31日
本棚登録日 : 2024年3月31日

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