人手不足なのになぜ賃金が上がらないのか

制作 : 玄田有史 
  • 慶應義塾大学出版会 (2017年4月14日発売)
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賃金の情報硬直性。構造的な問題があるか?

医療福祉分野は、介護報酬制度による賃金抑制。
人手不足だが賃金をあげると採算がとれない。

名目賃金の下方硬直性の裏返し。
賃上げの不可逆性のため、下方に硬直的だと上方も硬直的になる。

成果主義の普及。

企業は誰のものか=従来の主要なステークホルダーだった従業員は、今はコスト要因として見られるようになった。

バス運転手の時間あたり賃金は下落傾向。生産性が上昇しない。新規参入障壁が低い=値上げができない=運転手の賃金を上げられない。

就職氷河期世代の生産性が上昇していない。

欲しい人材と働きたい人材のズレ。
企業内OJTが減った=即戦力を求める傾向。
off-JTは効率が悪い。しかし、OJTの余裕がない。

構成バイアスによって平均賃金があがらない。
女性の割合が増えた、パートタイムが増えた。高齢者再雇用が増えた。

高齢化、非正規化の影響。
保険、税金などの非消費支出の上昇。

国際競争によって、国内産業の介護医療などの賃金も引きずられる。賃金の伸縮性。

氷河期世代の能力開発の遅れ。

正規社員と非正規社員が同一労働で賃金の違いが見られる。正規社員が既得権層となり、正社員の留保賃金が低下し組合の賃上げ要求も抑制気味となる。

給与の資格給制度。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済
感想投稿日 : 2017年7月8日
読了日 : 2017年7月8日
本棚登録日 : 2017年7月8日

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