虹の家のアリス (文春文庫 か 33-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (2005年12月6日発売)
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本棚登録 : 748
感想 : 69
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『螺旋階段のアリス』の続編。

脱サラ探偵・仁木と、助手の美少女・安梨沙が謎を解く、日常系ミステリ連作六話が収録されています。

前作ではもっぱら安梨沙が謎を解いていましたが、本作では仁木さんも頑張っております。
取り扱うのは育児サークルへの悪戯や、頻発する花泥棒だったりと一見些細な事件ですが、裏側には人の心の闇が潜んでいるのですよね。
仁木さんの娘さんと息子さんも登場し、第五話「鏡の家のアリス」では、息子・周平さんの依頼で彼の恋人のストーカー問題の解決に挑んでおります。
因みにこの話では、印象操作に振り回されて結構混乱してしまいました。“真のストーカー”だった方の彼女のキャラが中途半端で“結局、何だったん?”と、少し消化不良な感じでした。
個人的には、“猫版・ABC殺人(猫)事件”といえる、第三話「猫の家のアリス」がお気に入りかな・・。
ところで、天使のようだった安梨沙が、本書では小悪魔的な側面を見せ始めたりと、じんわりキャラ変してきましたが、“ブラック安梨沙”も嫌いじゃない私でございます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2023年読了分
感想投稿日 : 2023年1月17日
読了日 : 2023年1月17日
本棚登録日 : 2023年1月17日

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