水族館の殺人 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社 (2016年7月28日発売)
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本棚登録 : 1680
感想 : 122
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シリーズ第二弾。

夏休み最中,風ヶ丘高校新聞部の面々は,取材で訪れた〈丸美水族館〉で、レモンザメが飼育員の男性を喰らっているという衝撃場面に出くわしてしまいます。
駆け付けた警察の事情聴取で容疑者は11人に絞られますが、全員に強固なアリバイが。
行き詰った仙堂警部&袴田(兄)刑事は、渋々裏染天馬に出馬要請することに・・・。

ノリがラノベなので、プロローグのドタバタ劇が、つい“ヲイヲイ、いきなり読者置いてけぼりかよ!”と、思ってしまいそうになりますが、中身はしっかり本格ミステリです。
今回は、“アリバイ崩し”、“時間差トリック”といったトピックを、我らが天馬くんが、キレキレの論理構築&検証(被害者・袴田(妹)柚乃)で、解き明かしていく展開です。
先ほど、“トピック”と書きましたが、当シリーズは“who”と“how”を重視した、“謎解き”に特化した内容なので「殺人は“お題”」と割り切って読むことにしております。
(個人的に“why(動機)”に注目しがちなので・・)
という訳で、トリック&ロジックがお好きな方には堪らないかと思いますし、そこかしこにヒント(伏線)が散りばめられているので、すごくフェアなミステリですよね。
読みながら読者自身でも推理を楽しめますし、真相解明場面で、天馬のロジックに酔いしれてもOK! てな感じで、謎解きを堪能させて頂きました。
ま、相変わらず動機は弱いですけどね~(^-^;

キャラ造形も安定してきて、前作よりも柚乃が天馬に対して強気に出ているという成長(?)も垣間見えます・・とはいえ、死体の検証をやらされたりはしていますがww。
さらに、本書から登場の〈緋天学園〉ガールズ・・裏染(妹)鏡華ちゃんと忍切さんという、クセツヨお嬢様たちも今後再登場の予感です。

さて、この巻でちょっとだけ明らかになった、天馬が家に帰らない事情も、今後徐々にわかってくるのでしょうか。
忍切さんとの関係も含めて気になるところです~。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2023年読了分
感想投稿日 : 2023年11月12日
読了日 : 2023年11月12日
本棚登録日 : 2023年11月12日

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