シリーズ第5弾。
上野広小路から湯島天神に至る坂にあるお宿<如月庵>を舞台にした人情噺。プロローグ、連作4話、エピローグという構成になっております。
今回は<如月庵>の部屋係・お蕗の秘密・・・隠されていた過去と本性が明らかになります。
第一夜(話)「姑の残した玉手箱」で、行き倒れていたところを助けられ<如月庵>で働く事になった、謎の女・柏とお蕗の攻防戦のような探り合いがエピローグまで続き、サスペンスちっくでハラハラします。
各連作パートでは、例のごとく訳アリのお客様の事情に梅乃と紅葉が首を突っ込み、結果的に丸く収まる展開なのですが、第二夜(話)「酢いかの災い」は、宿のお客ではなく、近所の塾に通う武家の少年の話。被害にあった源太郎が立ち直ったからいいものの、人の弱みに付け込む守之助のような性根の腐ったヤツは結局改心していないのだろうな・・と、ちょとモヤっとしました。
それに比べて第三夜(話)「鴻鵠の志」に登場した慎三郎は、最初は面倒くさい人でしたが、ラストには心入れ替えて別人のように爽やかになっていたので良かったです。
さて、まだまだ秘密がありそうな<如月庵>。今後どのような事が明らかになっていくのでしょうか、続きが楽しみです。(続くよね?)
読書状況:読み終わった
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2022年読了分
- 感想投稿日 : 2022年8月22日
- 読了日 : 2022年8月22日
- 本棚登録日 : 2022年8月22日
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