心理学って不思議な分野で、いい意味でも悪い意味でも裏切られることが多そうだなあとこの物語からも感じる。
まさにそんな心理学に基づき人間に対峙するカウンセラーは「聖者」たり得るのか。
「本当の自分」って一体どれ?と、誰もが考えたことのあるような普遍的な命題について、問いかけるような作品だった。
別宮の幼稚さには嫌悪感を覚えたが、実は別宮が拘る道も自ら選んだものではないのかもしれないーーそれを思うとただただ哀れな人だなあと思った。
興味深いテーマとセンセーショナルさの割に、結局少し安っぽさを感じる恋愛で終わったので物足りなさも感じたが、面白かった。何より、非常に読みやすいことは間違いない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
現代文学
- 感想投稿日 : 2015年7月21日
- 読了日 : 2015年6月11日
- 本棚登録日 : 2015年6月9日
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