スパイもの。面白かった。
スパイといえば、007とか、ミッション・イン・ポッシブルとか、とにかく派手でカッコイイイメージを抱いていたのですが。実際のスパイは、ぜんぜん違っていてびっくりでした。
スパイとは、見えない存在であること。
何年、何十年、もしくは何世代にもわたって、自分以外の他人になりすまし、敵地に潜入して情報を流す。
賞賛は、ない。
正体がばれた時が失敗でではなく、疑われた時が失敗のとき。
失敗しても、死んではならない。
およそ普通の感情の持ち主ができる仕事ではない・・・
結城中佐の発案で陸軍内に設立されたスパイ養成学校「D機関」。 結城中佐もさることながら、このD機関に入学した学生の優秀なことといったらもう・・・語学が堪能なことは当たり前。どんな人間にも成りすまし、一度見たものは一瞬で暗記し、どんな金庫も開ける。何ものにも捉われない、信じるものは自分だけ。
自分にはこのくらいのことはできなければならない、という恐るべき自負心を持つ彼ら。まさに、異能。
「ロビンソン」が面白かったです。敵にスパイだとばれた伊沢の脱出劇。自白剤の裏をかいた伊沢の抵抗は見事。と、いうより、そこまでの事態を想定してD機関で訓練させる結城中佐がすごいと思いました。
究極の頭脳戦、本当に面白かった。続編も読みます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
柳 広司
- 感想投稿日 : 2013年7月12日
- 読了日 : 2013年7月5日
- 本棚登録日 : 2013年7月12日
みんなの感想をみる