読みたいと思いつつ、やっと読みました。
辞書という、まったく目をつけることもなかった分野の、言葉にかける熱い思いがダイレクトに伝わって、不覚にも電車の中で涙しました。
最初に思ったのは、仕事に向き合うことも同じだなということ。
言葉という、当たり前にあるものに対して、なんとなく流れ作業的になってしまう。
真剣に集中して取り組めていない。
一つのものを完成させるのに、まさか何十年もかかるとは思っていなかったけど、その分、辞書を編集することのリアルな世界を見ることができたと思う。
言葉を客観的に説明し、カテゴライズすることはやりがいはあるだろうけど、私からすると途方もないことに思えてしまう。世の中のすべての単語が、極端に言うと、意味として掲載されるわけだから。
不覚にも、松本先生のくだりでは、泣いてしまった。
それだけこの話に没頭し、感情移入をしていたという意味でもあるし、松本先生が深くかかわってきた、命を賭して関わってきたこれまでのことが、なんだか圧倒的すぎて、泣けてしまった。
なんであれ、最後を見届けられないことは、あると思う。もちろん、見届けられるに越したことはないけど、その過程が素晴らしいものなら、結果はおのずとわかってしまうものだよね。
大満足の一冊でした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年4月20日
- 読了日 : 2017年4月20日
- 本棚登録日 : 2017年4月20日
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