二編入ったもので、どちらも団地が舞台。
爪を噛む女は、38という齢を迎えた女の嫉妬との葛藤。
ずっと自分より下だと、見下していた女は卒業し、歌手になり、スーパースターとなった。そんな友人と再会を果たし、あの頃想像すらしなかった事実を知り、さらに嫉妬をする。そして会う回数を重ねるごとに腹黒さを知る傍らで、主人公は介護の仕事をせっせとおこなう。
その嫉妬との葛藤がリアルで、自分にも覚えがあり、あぁ、女ってこうだったなってありありと思い出させるのだ。
団地の女学生は、大正生まれのおばあちゃん、瑛子と、同じ団地に住むミノちゃんというゲイの男のはなし。ミノちゃんに猫を飼ってくれとせがまれるところからはじまる。
あるときバイトと持ちかけ、ミノちゃんと一緒に高崎へといく。その列車で瑛子は60年前の幼馴染の男のことを。ミノちゃんは出会い系サイトを使い今宵を共にする相手の男(若くて細い、あるいは筋肉質な)を探す。
コミカルなんだけど、はっとしたり、瑛子の乙女心にくすぐられたり、で楽しかったです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
伏見 憲明
- 感想投稿日 : 2010年6月19日
- 読了日 : 2010年6月19日
- 本棚登録日 : 2010年6月16日
みんなの感想をみる