高校生のときに初めて読み、昨年20年ぶりに再読。以来、時々繰り返し読んでいる本。アマレットを知った本。
初めて読んだときは、あおいの気持ちが理解できなかったけど、20年経って分かる気がした。イケメンで完璧なマーヴとの生活。フラットで穏やかで充分すぎるのに満たされない。本当のことを言えなかったのは、傷つきたくない気持ちもあったと思うけど、マーヴと穏やかに過ごしていれば順正への気持ちを乗り越えられると信じていた部分もあったと思う。そして、もう順正に会うことはないからどうしようもないし、本心を話したところで分かり合えないから言うだけ無駄と思って心にしまい込んで、自分の中で消化しようした部分もあるのでは。それが決して肯定できるものではないのはもちろんだし、マーヴがかわいそうなことには変わりない。でも、だからといってみんながみんな、自分の気持ちを明け透けにできるわけじゃないと思いたい。繊細な心理描写を感じました。
「人の居場所なんてね、誰かの胸の中にしかないのよ」このセリフがずっと印象的です。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年11月10日
- 読了日 : 2022年11月10日
- 本棚登録日 : 2022年11月10日
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