征服者は貴公子に跪く (ディアプラス文庫)

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  • 新書館 (2009年7月10日発売)
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感想 : 17
4

これはいいロマンス小説。
いや、メルヘン小説かな。

時は1980年代。
ゴルトホルン城の主、パウルは、第二十代ヒルシュヴァルト侯爵。つまり正真正銘の貴族です。
諸事情により多額の借金を抱えていて、最後の手段として城を売却しホテルに改装することを決意します。
その売却先が日本のホテルグループで、その次期総帥がタイトルにある征服者たる牟田です。

しかしこの牟田、地位相応の尊大さはあるもの征服者というにはあまり傲慢さが感じられず、誠実で堅実で良識がある。
全編が貴族としての矜持と礼節を重んじるドイツ人であるパウルの視点で書かれているので、日本人で異邦人の牟田が大変興味深く魅力的な存在に感じられます。

ドイツのお菓子や酒や料理の描写がとてもおいしそうで食欲をそそります。
ドイツに興味ある人は是非。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: BL【異国・歴史】
感想投稿日 : 2010年6月7日
読了日 : 2010年6月7日
本棚登録日 : 2010年6月7日

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