マッキンゼーで組織の経営改革に取り組んできた著者が、瞬時に現状を認識し、課題を整理し、解決策を考え、どう動くべきか意思決定をする=ゼロ秒思考、を鍛えるための方法を説く。
こういったいわゆる自己啓発本は、著者の自慢が鼻についたり、そんな面倒くさいことはできない、と早々に挫折してしまったりするが、本書で提示されている方法は実にシンプルである。
具体的には、ある一定のルールに沿った形でメモ書きを行うこと、この1点だけだ。
A4用紙横書きに、整理したい考えのタイトルを左上に書く。
その原因や分析などを、思いつくまま4行から6行の箇条書きで書く。
この作業を1枚につき1分で行い、1日10枚を書く。
思いついたらすぐ書くようにする。
これをとにかく毎日続ける。
もう少し細かいルールもあるが、基本的にはこのくらいである。
これを行うことによって、頭の中でもやもやとたまっていて、ともすればどうどう巡りに陥りがちな考えを整理することができ、言葉で自分の意思を相手にスムーズに伝えることができるようになるという。
私はとにかく自分の考えを整理して話すことが苦手で、せっかちな人には途中で遮られることもしばしばだ。それが苦痛で、発言したくてもつい言葉を飲み込んでしまうこともあった。
本書の方法は非常に単純なので、とにかくやってみよう、という気持ちになる。
また、この方法は、ビジネスでの利用だけでなく、人間関係の解決にも有効だ。
本書では、どちらかというと、人間関係のもやもやを整理することが主として書かれており、企画書作りなどビジネスでの利用は発展形として書かれているほどだ。
人間関係の悩みを整理する場合は、もやもやの対象者の名前をぼかさずにはっきり書く。悪口にならないか、なんてことは気にせずに、思いのままを書くことが大事だという。
数か月後に成果が出ることを信じて、まずは実行あるのみである。
- 感想投稿日 : 2022年5月4日
- 読了日 : 2022年5月1日
- 本棚登録日 : 2022年5月4日
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