「役に立たない」研究の未来

制作 : 柴藤亮介 
  • 柏書房 (2021年4月14日発売)
3.64
  • (15)
  • (28)
  • (25)
  • (7)
  • (1)
本棚登録 : 531
感想 : 36
4

初田さんが指摘していた、知識は唯一、使えば使うほど価値が増える、という点は興味深い。誰でもわかる役に立つものは陳腐化も早いのかもしれず、日本が成熟国になる過程ではとるべき選択肢ではないのだろう。知で立国するのが有力であり、この本で議論されていることが議論の端緒になりそう。
学問・科学の政治との距離の取り方、大衆社会での基礎研究の支持の集め方とアウトリーチの難しさなども浮かび上がってきた。

こうした領域横断的な知の交流は読んでいて楽しい。かつアカデミストの活動はうまくいってほしい。読後に調べてみると、発見を生み出す科学を支える自律分散的な取り組みとして近年はDeSciという取り組みもあるようで、日本が再興するためにと浸透するとよいと感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 科学
感想投稿日 : 2023年2月26日
読了日 : 2023年2月23日
本棚登録日 : 2023年2月22日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする