不穏な様子を見せた2巻、次はどうなるの?とハラハラしながら3巻を読み始めると国際外科学会に招待された新教授の話で舞台はしばし日本を離れて西ドイツへ。新教授は国際学会での研究発表、ドイツでの手術の成功...と華々しい活躍。
そしてまた視点は日本へ戻る。ドイツへ発つ前に診た患者が急変し、死亡する。胃癌の手術は成功したものの肺に転移していたのだ。それまでにも更なる検査を勧められたにも関わらず「私の診断に間違いはない」と一蹴していた新教授。これは驕りが生んだ犠牲者なのか...。
ドイツから意気揚々と帰ってきた新教授、日本へ着くなり遺族から訴えられたことを知り、話は裁判編へ突入する。
山崎さんの緩急の付け方うまいなーと感心しながら読みました。新教授の憎たらしさといったら...。新教授一派が裁判であの手この手を使う様子は人間の醜悪さを見せられているようで少々しんどかった。その中で正義の心を貫く者、学問に忠実である者、弱みを握られ真実を言えない者、出世のために進んで嘘を吐く者...などいて多種多様。裁判の成り行きもドキドキしながら読める。エンターテイメントとして消費するならば非常に面白い。遺族の立場に立つならば非常に心が重い。
4巻ではどのように展開するのか...
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年1月7日
- 読了日 : 2022年1月5日
- 本棚登録日 : 2022年1月5日
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