残像に口紅を (中公文庫 つ 6-14)

著者 :
  • 中央公論新社 (1995年4月18日発売)
3.19
  • (230)
  • (444)
  • (691)
  • (312)
  • (125)
本棚登録 : 11441
感想 : 723

アイディアすげーな...
ページが進むにつれて文字が一文字ずつ減っていくというルールの中で展開される物語。文字が消える順番は作者に委ねられる。それならうまいこといけるのかな?と思いつつも最初から「あ」は消えてる...。「まじかよ」という感想からスタート。

どんどん制限が厳しくなっていくのに官能描写でてきたり自叙伝が始まったりと使えない文字の代わりに豊富な語彙力を駆使しまくり。しかも自然な文章になるように工夫している...「いや無理やろ」と思ってたけどなんのその。ただただ感心。

さすがに最後は文章が不自然になったり意味をなさなくなってくるのだけど、きちっと最後の一文字が消えるまで書ききってる。なんという高尚な遊び!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年7月14日
読了日 : 2022年7月7日
本棚登録日 : 2022年7月7日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする