高く孤独な道を行け (創元推理文庫 M ウ 7-3)

  • 東京創元社 (1999年6月1日発売)
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感想 : 38

ニール・ケアリーシリーズ第3弾。前回の事件を経て、政治的な都合で自国へしばらく戻れなくなったニールは山の上で修行僧と共に伏虎拳の修行に励むこと3年、ようやく戻れることになり探偵業の師であり第2の父でもあるグレアムが迎えにくる。3年ものブランクはプロとして使い物になるかどうか疑わしい。そんな気持ちがありながらもグレアムは次の任務を告げる。

任務は行方不明になった息子の奪還。映画プロデューサーであるアン・ケリーは仕事場で出会ったカウボーイ、ハーレー・マコールと意気投合し結婚、息子を授かる。当初は幸せな結婚生活を営んでいたのだが、映画の流行りと共に夫の仕事は激減、その後酒に溺れるようになり次にマリファナ...と転落の一途を辿る。荒れに荒れたのち離婚が成立し、ハーレーは姿を消す。半年後に電話がかかってきた時には人が変わったように落ち着いており、息子コーディに合わせて欲しいと頼まれる。これならもう大丈夫かなと息子にちょっとずつ会わせていき会わせるための条件も徐々に緩やかになってきたタイミングでハーレーはコーディを連れて姿を消してしまう。グレアム達はハーレーは怪しい宗教団体にのめり込んでいたらしいというところまで突き止める。ニールは危険な潜入捜査をすることになるのだが果たしてコーディを見つけることはできるのか?

今作は探偵っぽさも復活、おまけに潜入捜査のドキドキ感がたまらない。そして人種差別問題も盛り込んであるので考えさせる要素もばっちり。またしても痛い描写があるのでそこは注意。今作はニール以外の活躍も見所。おすすめです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年11月14日
読了日 : 2021年11月13日
本棚登録日 : 2021年11月13日

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