ゴールデンスランバー (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2010年11月29日発売)
4.14
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感想 : 2396
5

十年ほど前に読んだものを再読。
めちゃくちゃ良かった、
ハラハラした、という感想しか覚えておらず、
どんな内容かすっかり忘れちゃっていた。
「ちいさくまとまるなよ」
が読みながら思い出したくらいで。

やっぱり、めちゃくちゃ良かった。
理不尽なものに巻き込まれて、
でもなんとか逃げ切る、
抵抗する、
必死に自分が正しいことをやっていれば、
味方してくれる人がいる、
それらのおかげで生き抜いていくことができる。

伏線回収が巧妙で、
あの仕草あの場面が
ここにこう繋がってくるなんて!
と、めちゃくちゃ感動。

「痴漢は死ね」の毛筆で感動の大泣きできるなんて、
どこ探してもこの小説だけでしょう。
泣きながら笑えちゃうし。
ラストシーンの
「たいへんよくできました」も大泣き。
ロックだよ。
「俺の荷物、潰されたんだ。」も読み返したら意味が分かった。
保土ヶ谷さんもなー、まさかあの電話とかがこれかっていうね。

ほんとに、よかった。

名言もたくさんあった。
「人間の最大の武器は、習慣と信頼だ」
「おい森田、むしろ、人間の最大の武器は、笑えることではないか?」
「最大の武器は何だか分かる?」「思い切りだよ」

「花火ってのは、いろんな場所で、いろんな人間が見てるだろ。もしかすると自分が見てる今、別のところで昔の友達が同じものを眺めてるのかもしれねえな。」「たぶんな、そん時は相手も同じことを考えてんじゃねえかな。」
「思い出っつうのは、だいたい、似たきっかけで復活するんだよ。自分が思い出してれば、相手も思い出してる」

「名乗らない、正義の味方のおまえたち、本当に雅春が犯人だと信じているのなら、賭けてみろ。金じゃねえぞ、何か自分の人生にとって大事なものを賭けろ。おまえたちは今、それだけのことをやっているんだ。俺たちの人生を、勢いだけで潰す気だ。いいか、これがおまえたちの仕事だということは認める。仕事とはそういうものだ。ただな、自分の仕事が他人の人生を台無しにするかもしれねえんだったら、覚悟はいるんだよ。バスの運転手も、ビルの設計士も、料理人もな、みんな最善の注意を払ってやってんだよ。なぜなら、他人の人生を背負ってるからだ。覚悟を持てよ」
ここもめっちゃ泣けたー!
お父さんの愛、深すぎる

「天気がいいとそれだけで嬉しくなるけど、どこかで大変な目に遭ってる人の子も想像してしまう」


このテーマもあったんだな!
っていうのが何か思ったんだけど、
忘れちゃった…くやしい。

また今度読もう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年11月8日
読了日 : 2023年11月8日
本棚登録日 : 2023年11月8日

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コメント 1件

本ぶらさんのコメント
2023/12/05

>お父さんの愛
もろ、落語のキャラクターなところが、ミョーにいいんですよね(^^ゞ

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