最初は結婚詐欺モノのサスペンスみたいな始まり方なのだが、今際の際に物語を聞かせろ、という不思議な癖?によってそこから離れて…このパターンで次々に殺しながら話を聞いていくのかと思いきや、実質2人目がとんでもないストーリーテラーだった。と小説内の現実?部分だけさらうとこんな感じなのだが、とにかく話の中の登場人物がまた話をはじめて入れ子が複雑になり、尚且つ登場人物が自我を失ったりお互いに成り変わったり、ジンとジンナというモチーフについて4者4様に語ったり(実際にはクオンの語る祈の語る丁の語る始終等の四人で、誰が誰なのか誰もわからない)、居心地の悪い浮遊感というか、頼りどころが無い感じの話の中にズルズルと引き込まれていく。最後は最後で、妙に爽やかに終わって、500ページ通して兎に角先が読めないし来た道もわからないような不思議な読書体験だったが、読んで良かったとは思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説(日本)
- 感想投稿日 : 2024年1月5日
- 読了日 : 2024年1月5日
- 本棚登録日 : 2024年1月5日
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