弁護士などを務め、ユダヤ教に改宗してユダヤ人になった著者による、思考法の本。ユダヤ人はどのように考え、議論するのか、日本人とどのように違うのか、といったことを様々な角度から教えてくれる。
ヘブライ語聖書の内容はある程度知っているが、ユダヤ人のような観点から議論したことはなかったと本書を読んで感じた。本文でもときどき出てくる通り、「日本人であれば『こんな屁理屈を考えてどうなるんだ』と片付けてしまうであろう」命題がほとんどではある。とはいえ、その疑問の背後にある論理や哲学や価値観を見抜くために考えること、その問題を従来とは全く異なる視点で捉え直すことなどは、事態を打開しうる非常に重要な方法だ。その意味で、今までとは違う発想をするよう促してくれた本書は一度は読んでみるとよいと思う。(日本人には少々失望してしまうかもしれないが。)
それにしても、著者は1947年生まれと記されているのだが、その御歳でこれだけ歯切れのよい文章を書けるのは驚異的だ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ビジネス・経済
- 感想投稿日 : 2019年8月12日
- 読了日 : 2017年4月18日
- 本棚登録日 : 2019年8月12日
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