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冷静に振り返ってみると、“密室の謎を解いたら美女と結婚できる”という設定は如何にも突拍子もないものだが、作中は無理なく進行していくので然程違和感を感じない。筆者の卓越したストーリーテリングの賜物だろう。内容も骨太な密室ものと言って良く、トリックやプロット、人物設定などが高次元で渾然一体となった本格である。
目次を見た段階で、第二章などはかませ犬的な雰囲気もあり、何となく軽視しがちだが、きちんと読まないと重要な情報を見逃しかねないので気が抜けない。で、割と早い段階で決定的なヒントが出されるので、勘の良い人は早々にトリックや実行犯について想像がついてしまうが、何故そんなことになったのかという更なる真相が気になり、結局最後まで読まされてしまう。上手いものだ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年1月14日
- 読了日 : 2013年1月14日
- 本棚登録日 : 2013年1月11日
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