北海道に生きる開拓民を描いているから、三浦綾子文学賞はピッタリかも。
4代にわたる一族の歴史ではあるが、ハイライトシーンだけが詳しく描かれ、他のところは粗筋的にざっくり書かれているため、意外にさくさくと進む。
昔の作家ならもっとみっちり書いた気もするので、そういう点は現代的かもしれない。
全体に、なんというか、よく言えば情熱的なのだが、悪く言えば泥臭いというかグロテスクというか。その情熱に感動する人もいれば、泥臭さにうんざりする人もいるだろう。好みの別れる作家だと思う。舞台設定は三浦綾子に似ているが、作風は全く違う。
個人的には、グロテスク自体は別に苦手でも嫌いでもないのだが、グロテスクを楽しんで書いているのに、それをいい話にしてしまうところは、あまり好きではないな。グロはそもそも悪趣味なのに、その自覚なさそうなところが。
まあ、勢いはあるから、好きな人にはたまらないかも。映画の「レヴェナント」みたいに、そこまでやれば、もう立派!っていうくらい、この方向性を極めてみたら却って良くなるかも。
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- 感想投稿日 : 2018年3月17日
- 読了日 : 2018年3月8日
- 本棚登録日 : 2018年3月8日
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