① この本を選んだ理由
定年後というものがイメージできる年齢になり、この手の話が面白いと感じるようになったため。
②あらすじ
東大卒で、大手銀行に勤め、最終的に子会社ながらも役員で定年を迎えた田代の定年後のお話。仕事と夫婦に焦点があたっている作品に感じた。
③感想
何度も、タイトルである、「終わった人」というキーワードがでてくる。人生において終わったという瞬間があるものなんだろうか…
いろいろな人から頼りにされる、人の役に立つ、やりたいことをやって楽しむ、行きたいところに行って感動を得る、などなど、歳とともにできなくなっていくことが何度も出てきて、この先の人生を考えさせられた。
恋愛というものを乗り越えた夫婦とは何なのか、ということも考えさせられる。「俺はなぜ、この女とずっと一緒にいるのだろう。」という心の声があって、そう思うことは、どの家庭でもあるだろう。昔と違い、夫婦共に働いているケースが多く、出会いの場面は歳をとってもあり、お互い干渉しない部分も時間と共に増えていく。そうすれば、尚のこと、そう思うこともあるだろう。
昔の人は我慢して生きていたけど、我慢しなくていいというのが常識になると、仕事とか、結婚とか、大きく変化していくんだろうなと考えさせられる作品だと思った。3組に1組は離婚しているなんて、だいぶ前に耳にしたけど、この先はどうなっていくんだろうか…
④心に残ったこと
「人は死ぬまで誇りを持って生きられる道を見つけるべき」という言葉は、心に残った。
限りある人生の中で、何を持って進んでいくのか、という疑問に対して、一つの答えだと思った。
また、結婚は「我慢して2人でいるか、別れるしかない」なんて、セリフもでてきて、なかなか面白かった。
最後の方に「卒婚」という言葉がでてくる。この言葉を知らなかったが、そういうのもあるんだろうなと、考えさせられた。
⑤登場人物
田代壮介 63歳 専務取締役
田代千草 57歳 妻
道子 娘
西本徹 同期
青山敏彦 55歳
二宮勇 大学同級生
浜田久里 スクール受付
美雪 妹
- 感想投稿日 : 2021年8月16日
- 読了日 : 2021年8月16日
- 本棚登録日 : 2021年8月11日
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