特攻――戦争と日本人 (中公新書 2337)

著者 :
  • 中央公論新社 (2015年8月24日発売)
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特攻。
世界戦史の中で日本だけが実行した十死零生の自爆攻撃。
特攻が実行される前、その下地、特攻が許容される日本人の潜在意識、という歴史的且つ精神的な背景。
そして特攻が実行されるに至った経緯、発案者、実施者、命令する側から見た特攻、命令される側である一般兵士の特攻。
視点によって全く違う特攻が其処にある。戦後、生き残った命令者は特攻は自発的なものであったと言い張り、生き残った特攻隊員は自分の意志すら確認されない命令であったと言う。もちろん自発的な特攻もあったのだろうし、有無をいわさず特攻部隊に異動になる事もあったのだろう。
一括りで全体を説明することはとても難しい。大正時代から昭和初期に男子として生まれたが故に特攻せざるを得なかった多くの若者たち。
重く深く考えさせられる話でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年10月30日
読了日 : 2015年10月24日
本棚登録日 : 2015年10月24日

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