カリコリせんとや生まれけむ

著者 :
  • 幻冬舎 (2010年2月25日発売)
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本棚登録 : 219
感想 : 34
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変態性を期待して読んだんですが、至極マトモな面白いエッセイでした。視点、感性はやっぱり常人とは違う、それを文章にする能力はやっぱり高いんだろうなぁ~。大場久美子に対する学問的考察とか地理的マイナーな東金の話とか言われて見て初めてあぁそうなのか、と思う場面は多々あり。普通の人は妄想をここまで突き詰めて考えないだけかもしれないけれど。表紙があの「滝の絵」で会田誠氏の作品の中でも特に好きな作品の一つ。各章毎の扉絵に女の子がアップで載せられていて、一々「あ、この子は『滝の絵』のあそこに位置する子だ」と確認しながら読んでました。実物を見た時に一番可愛く描けているのでは?と思った子は159頁です。(探しました。私ってバカ?)
だいぶ会田誠熱に侵されている様な気がします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年2月19日
読了日 : 2013年2月19日
本棚登録日 : 2013年2月18日

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コメント 2件

めがねくんさんのコメント
2013/04/07

「読ませる」散文は少ない、ので手にする機会はあまりない。 が、筆者がアノ人となれば話は違う。奴の頭の中を少し覗き見してやろう的な気持ちでページをめくる。めくる。めくる。・・・読まされた!
悔しいのだ、自分の感受性の低さが。彼の作品から何もキャッチできないのだ。文ならはまだわかる。天才ではないが、散文においても破壊を試みる仕業は好い。
最後に「滝の絵」について一言。自分の中では惜しいのだ。巨大な絵を前にしたとき、鑑賞者の目線が上下する。そのとき下から滝の上を「見上げた」視覚効果が加味されていれば、もっと面白みがあったのではないかと思っている。それと主観的な「美」の相違であろうが、私は描かれている少女の手足の特に長さが不自然に感じて仕方がないのだ。
ともあれ、世に問おう。文、これも芸であるなら、アーティストを名乗るものよ、彼のように取り組むべき分野ではなかろうか。(凡人にはありがたいのだ)

bandit250fさんのコメント
2013/04/07

堀越二郎「零銭 その誕生と栄光の記録」早く読んでレビュー書いて下さい!

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