- ルポ 新宿歌舞伎町 路上売春
- 高木瑞穂
- 鉄人社 / 2023年7月26日発売
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いたましい。
60代と見られる街娼の方のインタビューは、読んでいるこちらの心が砕けてしまいそうなほど、ただただ、いたましいものだった。
2023年9月14日
- Z世代のネオホームレス 自らの意思で家に帰らない子どもたち
- 青柳貴哉
- KADOKAWA / 2023年4月3日発売
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痛ましい。もどかしい。
読んでてかなり辛い。
2023年9月3日
- 不倫―実証分析が示す全貌 (中公新書 2737)
- 五十嵐彰
- 中央公論新社 / 2023年1月19日発売
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すごく良かった。
「統計とはこうやるのだ!」と言わんばかりの、お手本のよう。
どこからが不倫なのか、誰が不倫しているのか、どうやって不倫が始まるのか、誰が不倫を責めるのか、誰の不倫が責められているのか。
理論的考察と調査・実験による実証とのセットで、しかも説明がすごくわかりやすかった。
今までこの手の実証系の社会学の本だと「不平等社会日本」が一番良かったけど、それを超えてきたかもしれない。
2023年8月21日
- 言語の本質-ことばはどう生まれ、進化したか (中公新書 2756)
- 今井むつみ
- 中央公論新社 / 2023年5月24日発売
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超いいよ。
各論が総論に収束していくのがおもろかった。誰かが書いてたけど、推理小説みたい。
霊長類がアブダクション推論の思考形式をどのように獲得するのか、というところの実証的な検証が欲しいところ。進化の過程で獲得されてたものであって種の器質として先天的に対象性バイアスを持ってうまれるのか、それとも訓練や環境の影響で後天的に獲得するのか。
後者であるなら動物との意思疎通の可能性という事で色々と夢が広がるように思うのだけれど。
2023年8月20日
- 山の上の交響楽 (ハヤカワ文庫 JA ナ 1-6)
- 中井紀夫
- 早川書房 / 1989年1月1日発売
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表題作、クライマックスへの盛り上がりが完全に予測可能回避不能で、すごく熱量の大きくて良かった。
嫌いじゃないけれど、空想科学的な意味でのSF感が薄くて、少し不満感が残る。
2023年7月23日
- 現代ロシア政治 (地域研究のファーストステップ)
- 油本真理
- 法律文化社 / 2023年8月25日発売
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- 国立大学法人会計詳解ハンドブック
- 太陽有限責任監査法人
- 同文舘出版 / 2023年4月7日発売
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ざっくり立ち読みした感じ、
・減損会計の記述がごっそり無い
・例題が少ない(重要な箇所に絞った最低限の記載、という感じ)
・固定資産会計のまとめがない(新日本の奴だと出資の章の直前にまとめ的一覧表が掲載されてて、あれは大変便利だった。)
・文章の占める割合が多い(仕訳例や計算式、あるいは図解したチャートがあまり見受けられない)
・紙が安っぽい(実務の現場では、使い倒してるうちにすぐ破れて駄目になってしまいそうだ)
2023年5月6日
- 安倍晋三 回顧録 (単行本)
- 安倍晋三
- 中央公論新社 / 2023年2月8日発売
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他国首脳についての人物評が面白い。トランプが人間臭い憎めない男に見えるし、オバマが感じ悪い男に思えてくる。
パレスチナ問題和解に向けた案とその打診が行われていたというのには驚いた。実現していたら、それこそ本当に歴史に残る事となったろうに。
2023年5月6日
- 現代ロシアの軍事戦略 (ちくま新書)
- 小泉悠
- 筑摩書房 / 2021年5月8日発売
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軍事はあまり触れてこなかった分野なので難しい。ロシアが恐ろしく外交巧者だというのはよくわかった。軍が弱体化してんの、「恐ロシア」のイメージがあっただけに意外だった。
2023年1月11日
- 陰謀論-民主主義を揺るがすメカニズム (中公新書 2722)
- 秦正樹
- 中央公論新社 / 2022年10月20日発売
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読みやすかった。
どんな人でも陰謀論に陥る可能性が割とあるという事はなかなかショッキングだった。バランスよくあること、程々であること、リテラシーを身につけることの大切さという一見凡庸な見解が、実はとても(というか最も)重要だった。
2022年12月23日
- 人類の起源-古代DNAが語るホモ・サピエンスの「大いなる旅」 (中公新書, 2683)
- 篠田謙一
- 中央公論新社 / 2022年2月21日発売
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人の移動と系譜は単純な線形ではないということが延々と懇切丁寧に説明されていく。平易な文章だけれども、内容はとても難しい。つまり人類の起源は全く単純じゃない。
縄文人と一口に言っても西日本と東日本でミトコンドリアの系列が大きく違う。
人類はアフリカで生まれたとされているけれども、どの猿人からいまのホモサピまで繋がっているのか、特定が大変困難で、よくわかっていない。
教科書的にはネアンデルタール人とホモサピとは別人類とされているけれど、ゲノムを見ると互いに交配しながらユーラシア大陸を複雑に巡っている。
アメリカ先住民はシベリアから何度も何度も新大陸へ流入したことを示唆する痕跡が出ている。
アラスカの遺跡の古人骨は、実はそれよりも大昔に北アメリカの南部に到着した人類が、温暖化に伴い反転北上して住み着いた痕跡のようである。
とても面白い。
2022年11月24日
- ウロボロスの波動 (ハヤカワ文庫 JA)
- 林譲治
- 早川書房 / 2005年9月22日発売
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「エウロパの龍」がとても面白かった。
地球外知的生命とのファーストコンタクトかもしれないところ、物語上はそこは問題にはならず、惑星開発上の問題(先住知的生命体を保護するために開発を取りやめるかどうか)との関係だけが焦点となり、極めて淡々と対処されていく。
こんなにも冷めたファーストコンタクトものは初めて読んだ。
2022年10月30日
- 裏横浜 ──グレーな世界とその痕跡 (ちくま新書)
- 八木澤高明
- 筑摩書房 / 2022年5月11日発売
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寿町住まいの夜の女性たちの話がよかった。あの人たちやその「仕事部屋」はいったい誰がどうやって手配しているんだろうか。福富町の長者橋から旭橋あたりの彼女たち。コロナや円安の中で稼ぎになるんだろうか。
鶴見のアントニオ猪木生家付近の話。鶴見の外国人街は存在すら知らなかった。鶴見の沖縄・南米タウン。もともとは京浜工業地帯に職を求めた沖縄の人々が移住してできた街で、その後沖縄出自のブラジル日系三世が親戚を頼ってさらに集まってきて「南米タウン」となったそうだ。横浜市内の南米人の40%が鶴見区に住んでいる。
石川町の中村川で不法係留して宿を提供していた船の話は驚いた。長年横浜に暮らしているが結局実物を一度も見られずじまいだ。40~50年前は大岡川も水上生活者たちの艀で埋め尽くされていたようだ。
2022年10月3日
また銀英伝が引用されてた。中国のSF者は銀英伝熱が高いのだろうか。
ハルヒのエンドレスエイトが、それもアニメ放映の時の騒動が言及されたのには驚きつつも、リアルタイム視聴世代としてニヤリとしてしまう。
「歌い手」について話が深掘されててよかった。自分は、この方向嫌いじゃないな。中国SFいいね。
2022年8月15日
- 夜のピクニック (新潮文庫)
- 恩田陸
- 新潮社 / 2006年9月7日発売
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高校生の男の子女の子たちが夜通し歩き続ける「歩行祭」で色んな思いを語り合う。
面白いは面白いんだけど、登場人物がどれもこれもスクールカーストトップの人たちだもんだから読んでて少し辛い。
2022年7月30日
- 孤独なバッタが群れるとき~『バッタを倒しにアフリカへ』エピソード1~ (光文社新書)
- 前野ウルド浩太郎
- 光文社 / 2022年5月17日発売
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「研究」という活動の面白さがとてもよく伝わってくるうえ、バッタの生態・形態に関するとてもマニアックな学術的内容がわかりやすく書かれていて、大変読みやすい。
素朴な疑問から仮説を立てて、実験を組み立てて、結果をまとめて論文にする、という一連の流れがよくわかる。
合理的な思考というのはこういうことなんだな。
面白かった。
2022年7月14日
- 収益認識のポジション・ペーパー作成実務
- 高田康行
- 中央経済社 / 2021年7月9日発売
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収益認識のポジションペーパーって本当に作らなきゃいけないのかしら。この本見ながら少しずつ準備を始めているんだけど、マジでめんどくさい。
そしてそのめんどくさい実務を解説してくれてるのって、今の所この本しかない。他の類書は5つのステップの実務の事ばっかり。ポジションペーパーとか重要な会計方針とかの注記文章の書き方についてここまで具体的に幅広く書いてくれてるのは他にない。ほんと助かる。まぁまだほとんど読み込めてないけど。
2022年2月2日
- 経理規程ハンドブック(第10版)
- 有限責任監査法人トーマツ
- 中央経済社 / 2020年5月26日発売
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収益認識会計基準の様な全く新しい会計基準が作られたとき、財務報告にかかる内部統制のためには、社内でどういう規定を用意していかないといけないか。という問題は、とてもとても担当者泣かせなやつだと思う。
これまでに無かった仕組を作らないといけなくて、前例もなく、手探り状態。そもそも新しいルールを勉強するところから始まってしまうんだけど、そんな悠長に勉強してる暇はなくて、とにかく〆切までになにかしら社内規定を作らないといけない。
そんなとき、担当者の助けになってくれる唯一の手引。経理規定に関して、網羅的で体系的で、規定例文まで用意してくれている。優しい。
自分も今まさに収益認識会計基準対応で社内規定見直してるところ。とても助けられてます。
クソ高いから経費で買ってくれないかな。
2022年2月2日
延期されたオリンピックの「栄光と夢」、宇宙戦争と小学校教師の「郷村教師」の2つが特に良かった。ページをめくる手が止まらず、読み終えたときの感動の余韻が凄かった。ほんと、良かった。
あとがきの元ネタ解説の情報量の多さがとても嬉しい。
2021年12月26日
- 【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛 (新潮選書)
- 池内恵
- 新潮社 / 2016年5月27日発売
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ビックリするくらい中東情勢について分かったような気にさせてくれる。
トルコとシリアのやっかいさから学ぶ近現代の国際政治の枠組って感じかしら。
2021年12月5日
- 地元を生きる―沖縄的共同性の社会学
- 岸政彦
- ナカニシヤ出版 / 2020年10月6日発売
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あと書きにも書いてあったけど、ほんと打越さんと上間さんの書く話は、過酷にも程がある。
生々しい暴力の連鎖。放棄され搾取される少女たち。
2021年11月20日