夜のピクニック (新潮文庫)

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著者 : 恩田陸
  • ¥ 724
  • 新潮社 (2006年09月07日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101234175

夜のピクニック (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 何から言葉にしていいのかわからないというよりは、言葉を選びきれないと言った方がいいのかな。次々に頭に浮かんでくる言葉も、口にしたり文字に起してしまうとすべてが安っぽくなってしまうような気がして。そう思うと何だか申し訳なくて言葉にできない。読み終わった後に感じた色んなものを、暫くは自分の中だけでじっくりと噛み締めたくなった。

    「高校生の時に読みたかった」もう数えきれないほど言われてきた言葉だろうけど、本当にそう思った。でも、もう少し詳しく言うのなら、私の場合は「読んでおけばよかった」だから、この作品を通して忍と同じ後悔をしたことになる。読もうと思えばそこにあって恵まれていたはずなのに、同じ時間を生きることができたはずなのに、自分はなんて勿体ないことをしたんだろうって。

  • ある背景を抱えながら、背伸びしながら歩く高校生の主人公。プレーンに見えながら、特徴がきれいに描かれた脇役たちとともに、歩きます。

  • 歩行祭を通じて描かれる登場人物の気持ちが読んでいて心地よかった。ひとつひとつの言葉が素敵。

  • キラキラして眩しかった。青春時代に戻りたい。読後も爽やかです。

  • とある高校で毎年開催される歩行祭、それは80kmもの距離を夜通し歩くものだった。極限まで追い詰められた肉体と精神、夜通し行動を共にする、日常の中の非日常で、それぞれが心の奥底に秘めた思いを語る。青春のただ中では悩み、苦しみ、もがきつつ過ぎていくが、時が経つと甘く苦い思い出となるのだろうか。貴子、融、美和子、忍の4人にとっても、歩行祭であんなこともあったねと笑って思い出す日がくるように。

  • 「大部分の高校生」が経験しない、私たちが「青春」という額に飾っている時間。この物語もそれではない、「大部分の高校生」の物語。だから、出てくる人物の誰かに、共感できるのかな。
    読んだ後、少しだけ大人になれる、優しくなれる、ほほえましくなる。そんな小説です。

  • 融と貴子が歩行祭という一大イベントを通して気持ちが移り変わっていくのが見事な心理描写で表現されている。

  • 青春の定義って難しいし、ワシなりにはいまだ青春してるつもりだけど、高校時代はまごうことなく青春ただ中だったな、そんなことを思い出させてくれた一冊。しんどさと楽しさの共通体験、その中で衒いはあれど素直に深まり成り立つ関係性と葛藤。懐かしい。

  • 人間の感情の描写に共感。人間関係とその人の性格描写がよくマッチした。他愛のない会話、描写もクスクスと笑えた。80キロの道のりが人生の困難として理解できた。今は未来のためのものじゃないというのが印象的。何かの終わりは何かの始まり。

  • 一日中歩きとおすという学校イベントを通じて、高校生の気持ちや心の移ろいを表現。少々ミステリというか工夫をすり込むことで話の展開が早くなったり、緩やかになったり心地よい。主人公を二人登場させ、それぞれの視点がいずれ交わっていく流れが良く描けている。

  • 眩しい。だけどどこかすっきりとしてて、とにかく胸にストンと入ってくる感じ。
    好きだなぁ。
    ただ歩く。それだけのことが眩しくて、素敵で、羨ましいと読者を引き付ける恩田さんはやはり素晴らしいですね。
    これからも私の中で色褪せることのない作品になるだろうと思います。

  • ただ歩くだけのことがどうしてこんなに素敵に思えるのか、それに思うのは、「ただ」歩いているだけではないからだ、ということでしょうか。

    歩くことが前面から背面になる。
    歩くということに焦点が当たらなくなる。
    そうして浮かび上がるのが思考や感情の数々。

    だから普段考えない分、特別なんじゃないかなーと思います。

  • たんたんと夜道を歩く。ただ、そんな行為だけなのに、終始胸がきゅーんとしていた。
    はじめての恩田作品。
    この文体好きかもしれない。

  • 主人公二人の心の動きに関しては、すごく細かく描いていて、とても面白かったです!むしろ、歩行祭からの二人のスタートの中での障害のお話をもう少し知りたいです!!そんなそそられる本でした。

  • いいなぁ。
    高校時代のあの感じがよくでてる。
    青春小説は好きじゃないけど楽しめた。
    ちょっとした謎とかあるけど、最後の会話が全て。
    今後を考えると色々複雑だったり…
    それもいい。

  • 高校生最後を飾るイベント「歩行祭」
    全校生徒が夜を徹して80キロを歩き通すという、伝統行事。本屋大賞を受賞した青春小説。

    高校生の爽やかなスポーツを交えた青春小説かなと思っていたのですが、それが本当に良い意味で気持ちいい裏切りをされました。

    歩行祭を通して進んでいく話に、甘酸っぱく切なく、爽やかな気持ちになり、あぁゴールがもうきてしまう、高校生最後のイベントが終わってしまう、と一緒に寂しさと切なさと、でも未来への期待も交わって不思議な気持ちになります。
    素敵な小説でした。

    これを機に恩田陸さんの小説を少しずつ読みたいと思いました。

  • 昔通っていた高校に、似たような行事がありました。
    同じ高校に通っていた姉や周囲からの噂で、大変な苦行であることは聞いていて、入学当時から戦々恐々としていたのを覚えています。
    しかし、自分はその行事に参加するまえに転校してしまいました。
    もし参加していたら、自分はそこで何を感じ、何を考えただろうという疑問と、参加したであろうクラスメートに対する嫉妬が、長年心のなかにわだかまっていました。
    本書に出会って、少し気がすんだように思います。
    でも、やっぱり、いいな、やっぱり参加してみたかったよ!

  • 子供の学校の課題図書だったので便乗して読みました。自分が学生時代に考えていたようなことが書かれていて、懐かしい気持ちになりました。

  • 話自体は面白いが、本題とは無関係な描写も多く間延びしている感は否めない。正直短編でもよかったのでは、という印象です。

  • 歩行祭への各個人の願いが反映されて感情が折々で汲み取られ完成度が高い。

  • 初めて恩田さんに出会った本。
    高校3年間で300冊読んだ中でも
    初期らへんの出会い。
    あの頃にブクログがあったらなー
    ここから恩田さんにどハマりする。

  • "みんなで、夜歩く。たったそれだけのことなのにね。
    どうして、それだけのことが、こんなに特別なんだろうね"

    資料ID:C0035175
    配架場所:2F文庫書架

  • 評価的には3寄りの4かなーって感じ。
    学生時代のビックイベントでいろいろ企む高校生たちがとても懐かしく感じられた。
    結局はみんないい子だったし、ハッピーエンドでよかったと思う。
    全体的な印象としては景色だったり、情景が少しごちゃごちゃなったり、少し長いというのもあって読みやすさは無かった。
    それでもどんどん読み進めていきたくなる一冊。

  • 夜を徹して80kmを歩く「歩行祭」での高校生たちのたった一夜のうちに起こることや語られる”思い”に静かに感動します。

  • ただ歩く それだけの事がこんなに特別なんだね。
    という一文が本編にありました。
    この本を表すのはまさにこれだと思います。
    夜通し歩き続ける極限状態の中でしか話せない事、逆にその状態だから話せる事 この対比がすごくよくできていた。
    読むというより世界に入る感覚でした。
    ただ、オチが弱すぎる
    これは良い所でもあり、悪い所 のような気がしました。

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夜のピクニック (新潮文庫)の作品紹介

夜のピクニックは恩田陸さんが高校生を主人公にして描いた小説です。
小説の舞台の高校で、24時間耐久のピクニックが学校行事として行われます。高校生が昼食と夕食を食べ、仮眠をとりながらひたすら歩きます、ただ歩くだけということですが、その非日常的な行事を通して、登場人物たちが成長していく作品です。

夜のピクニック (新潮文庫)の単行本

夜のピクニック (新潮文庫)のKindle版

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