夜のピクニック (新潮文庫)

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著者 : 恩田陸
  • ¥ 724
  • 新潮社 (2006年9月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (455ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101234175

夜のピクニック (新潮文庫)の感想・レビュー・書評

  • 文句なくの名作

  • タイトルに惹かれました。
    内容はただみんなで夜通し歩くことというシンプルな話だけど、主人公がある秘密を抱えていて、それを軸に話が進んでいきます。戻りたくても二度と戻れない高校生活。それがどれだけ貴重なものだったかに気づける人はなかなか少ないと思います。このまだ子供でいたいような、でも早く大人になりたい微妙な年頃の心情がほんとにリアルに描かれているなぁと思いました。恋愛ものだけじゃない、友情や家族愛も描かれていて所々にグッとくる名言がたくさんありました。

  • 160517読了。
    青春。その一言。

  • 気になっていたけど読んでなかった作品。
    青春時代を思い出せます。
    こんな時代もあったんだなと
    もう一度,この主人公と同じ年代に戻って
    この行事に参加してみたいような
    そんな気になりました。
    いろいろな伏線がありましたが
    その謎がするすると解けていき
    最後はとても気持ちよく読み終えることができました。

  • 28年5月10日読了。
    1日で読めた。読みやすかった。ある高校の夜行を含めた24時間の歩行祭の話し。昔、テレビである高校の歩行祭の番組があったのを思い出した。青春のほろ苦さ、煌めき、何故か素直になれないもどかしさ。そんな色々なものが、ないまぜに、彼らを包む。歩行祭が、確実に彼らを変えていく。

  •  GWの旅のお供にと軽い文庫本ということでチョイス。
     高校生が歩行祭というイベントで、夜を徹して80キロを歩きとおす。高校生らしい思いや、誰にも言えない“秘密”を抱えた主人公たちが、非日常な行事、真夜中という夢と現の境目で、様々な真情を吐露していく行程が淡々と描かれていく。
     移動中の読みもとしては最適な軽さと内容だった。

    恩田陸は2冊目。1冊目が「まひるの月を追いかけて」で、奈良が舞台だから読んだ。今回も奈良への帰省のお供。なにかと奈良と縁がある作家さん?(笑)

     内容としては上記の通り。大きな事件もハプニングも、痛快な謎解きもなく、実に淡々。おなじ“青春小説”というカテゴリーでは、「バトルロワイヤル」(高見広春)の攻撃性や「青が散る」(宮本輝)の喪失感、「一瞬の風になれ」(佐藤多佳子)の爽快さ、「風が強くふいている」(三浦しをん)ほどの周到さもなく、24時間が過ぎていく。
     読む時期が、こんな壮年のおっさんになってからではなく、「青が散る」を読んだ時のように10代だったら違ったかもしれないな、とちょっと惜しい気がした。

     が、悪くはない。高校生の頃を思い出し、ちょっぴり切なくもなったりできるし、逆に自分は、作中で登場人物たちが、“今だけだから”という思い、後悔しないようにと必死に前に進もうとする努力を惜しまず、大切に瞬間瞬間を過ごしてこれたよなと思えたこと。

     学校行事こそなかったが、友人と延々と2週間近く歩き続けた体験もした。彼らの道中の思い、疲労の極限の先の先の身体的、精神的な状態も手に取るように分かる。そんな中、いろんなことも語り合ったし。共感できる場面がやたらと多かった。

     終盤、主人公が足を挫いて道端に座り込む。親友が語りかける。

    「でもさ、もう一生のうちで、二度とこの場所に座って、このアングルからこの景色を眺めることなんてないんだぜ」

     このセリフを読んだ時、自分は、友人と夏の東海道を歩きいた道中での沼津から三島、焼津へ抜ける海岸線での光景が蘇った。日中のあまりの暑さに砂浜に揚げられた漁船の陰に逃げ込んで寝転がり見上げた空。舳先が作る鋭角な僅かな陰と両側に広がる青い空、足元の駿河湾の青い海。
     あの時、主人公たちとまるで同じように「二度とこの場所で、このアングルでこの景色を眺めることはないだろうな」と思ったことが一瞬でフラッシュバックした。

     恩田陸作品は、わずかに2作なのだけど、“今、ここ”の大切さを言っている場面が、いつも心に残るなあ。
     前作は、

    “遠くなんかどこにもない。どこに行っても次の「ここ」があるだけで、自分からは逃げられないのだ。”

     という一文をメモってある。
     本作でも、上記の部分とか、
    「おまえにはノイズにしか聞こえないだろうけど、このノイズが聞こえるのって、今だけだから、あとからテープを巻き戻して聞こうと思った時にはもう聞こえない。」
    「今は今なんだと。今を未来のためだけに使うべきじゃないと。」
     こんなセリフに、付箋を付けていた。

     ところで、何か所か気になったのが、上記の「テープを巻き戻して」とか、「リュックやナップザック」を背負って登校してくる生徒、「夜光塗料を塗ったオレンジ色のベストを身につけている」実行委員、などなど。テープ、ナップザック、夜光塗料etc.、ところどころ単語が古いのだ。
     気になって注意して読みすすんだが、特に時代は特定されていない(と思う)。どちらかというと、登場人物たちの口調や、思考、道徳観念などは現代的だ。
     作者が先の東京オリンピック、新幹線開通世代、いわゆる同世代、ついついこうした単語が出てきてしまうのか、それとも敢えて、時代感覚を麻痺させる意図でアナログ世代の表現を織り込んでい... 続きを読む

  • 楽しんで読めた。青春小説というほどの青春満開な出来事があるわけではないが一晩中歩き続けることでそのあとの人生を大きく変える出来事が起こるのはやはり青春満開なんだろうな。

  •  読みながら、ずっと主人公たちのことがうらやましかったです。人生は、全てが一瞬の積み重ねで、あの時も、あの場所も、あの人も、全て「一度きり」であるということ。そのことに、彼らは青春のど真ん中で気付くことができたからです。

     私が中学生や高校生の時、そんなことは考えたこともありませんでした。流れるようなスピードで過ぎて行った日々。その日々の充実に気付いたのは、後になって振り返った時でした。それに比べて彼らは、青春のど真ん中にいながら、青春がいかに素晴らしく、かけがえのないものであるか気付くことが出来ました。

     人生は一瞬の積み重ねで、一瞬のことがその後の人生の全てを変えてしまうかもしれない。そのことに気付いた彼らは、それぞれが勇気を振り絞り、それぞれの「本音」をぶつけます。読んでいて本当に気持ちがよく、背中を押したくなりました。たった一晩の夜は、彼らの人生を変える大切な夜になった。大仰な言い方をすれば、一つの「奇跡」をみた、そんな風にさえ思えました。

     雑音に囲まれていた青春は、あんなに素晴らしいものだったのか。遠い目をして、もう戻れない後ろの道を振り返っています。

  • 夜通し歩く話。歩くの好きだから風景や疲れ具合の描写で自分も歩いているような気分になった。自分もこのイベントやりたかったな。
    高校生の微妙な心情、すぐ人を好きになる気楽さを懐かしく思った。

  • [2016年24冊目]
    高校生の等身大の姿が描かれていて、彼らのピュアな成長が心にくる作品。読後は純粋で爽やかな感動に包まれる。

  • 貴子も融も友人に恵まれてるなぁ。美和子や忍、光一郎の後ろ姿はたくましく見えたに違いない。二人の会話のシーンは、彼らとともに嬉しかった。

  • 【思いやり】
    小説です。

    歩くだけですが、いい感じ。

  • 高校行事最後の歩行際。
    異母兄弟の融と貴子。クラスメイトに隠して高校生活を送っている。
    物語は歩行祭で融と貴子、2人の視点で進んでいく。懐かしく感じるような高校生の交友関係や感情が描かれる中、2人の中の葛藤や細かな気持ちの変化が描かれる。

    自由歩行が始まってからが本当の歩行祭。
    最後はスッキリ。

  • 北高最大にして、高校生活の最後を飾るイベント「歩行祭」それは夜を通して80キロの長距離をただひたすら歩くと言うとんでもない伝統行事だった。貴子はこの歩行祭のさなかに、ある一つの“賭け”に挑むことに決めていた。三年間、ずっとずっと口をきけなかった“彼”と、一言だけでいいから、話をすること――親友たちと思い出と夢を語らいつつ、貴子、そして彼女と異母きょうだいである融は、この夜のピクニックを歩いていく。果たして貴子の賭けは叶うのか。

    歩行祭……どこかの学校に本当にあるんだろうかこんな行事。多分どっかしらの行事がモデルになってるんだろうけど、私は読みながら、絶対にこれ参加したくないな~~!!って始終思ってたw 体力ないし歩くのツラいし。遠足さえもツライのだよ…それでも友達と一緒ってのは楽しそう。高校時代って何でもいい思い出になるしね。
    恩田陸だし何かすごく面白いことを仕込んでるのかなーとかドンデン返しとかがあんのかなーって勝手に期待してたけどあくまで貴子と融を中心にした青春小説だった。(しかしキャラがあんまり青春青春言うとなんか微妙に失敗してる気もしないでもないが)いや別にがっかりはしてないんだけど、長い長いピクニック――と呼ぶには過酷過ぎるけど――の中でずっと果たしたかった想いを果たせてよかったね!って思ったさ。こういう、小さいことかも知れないけど本人たちにとっては重要なことを叶えるってすごく大きいです。あと異母兄妹(姉弟?)って言うのすごく好きなんですよね私…
    最初の方は情報が断片的に表れて、最近流行りの論理パズルと言うか推理ゲームっぽいなとワクワクして何度もページを行き来しつつして読みました。結局西高の子を妊娠させた男子生徒本当は誰だったんだろうか…… あと前日譚が収録されてる図書室の海、ずっと前に読んだのであとで確認してみたり。キャラの名前が一部違ってたりするんですね。

  • 2016.2.26
    初めての恩田陸作品。貴子ととおるの物語!!兄弟じゃないオチだったりしてと想像しながら読んだ(笑)同級生に異母兄弟!そんなこと、普通ないけど、確かにありえない話しではないなぁ。2人の違う母親に育てられて、違う環境で育った兄弟、親の精神状態や、経済力など、子供はそれに大きく左右されるよなぁと感じるお話。やっぱり血のつながった兄弟、最後はお話できて、ハッピーエンドでよかった!本屋大賞受賞作品とはビックリ。

  • 長い期間をそう感じさせないくらいテンポ良く進んでいく本はたくさんあるけど、1日がかりの一つのイベントだけで展開していく本て初めて読むかもしれない。でも、間延びせず2つの視点から交互にスムーズに進んでいくし、読み手の感情が大きく動くような決定的な部分はないけど、どのシーンも満遍なくおもしろい。Feb,26,2016

  • 歩行祭みたいに体は使わないけど、読み始めてから最後まで一気に読んでしまった…
    ただ粛々と読めてしまう。そして終わりの爽やかな読了感。なかなか素敵な1冊に巡りあってしまったぞ。

  • ストーリーは歩行祭という高校生活最後の最大のイベントで、自分たちの今に、それぞれの思いを巡らせるお話。

    ただただ懐かしかった。
    昔の友達と会って、昔話に花が咲くようなときに出てくる思い出ではなくもっと個人の中の思い出が思い出されるような本でした。
    青春はキラキラした思い出ばかりじゃなくて、思い出したくない感情とか惨めさとか、そういう部分を懐かしいと思って思い出せる本でした。
    あの頃どうにもわからなかったモヤモヤが一気に晴れていくようで、読んでて気持ちよかった。

    登場人物と同じ高校3年のときに読んでたら、違う印象を受けたのかもしれないけれど、大人になった今読んでよかったと思います。

  • 高校生ならではのかけひき、葛藤など、自分と重ねながら読んだ。
    主人公の二人がやっと話ができたところは私もすごくホッとした。
    お母さんが友人に打ち明けたところも泣けた。大人目線で読んでいた。

  • 非現実的な青春の本

  • こんなイベントがあるなんて・・・
    という驚きもさることながら、
    そのイベントの雰囲気を活かして、
    ある同級生の特殊な関係性を描いている。

    確かに、夜通し歩くというイベントは、
    際立ったものだが、それだけでは終わらないところに、
    この作品の素晴らしさが詰まっていると思う。

  • 恋愛ものかなと思ってましたが、青春ものでした。
    自分もあの時もっと青春してれば、と思うことがありますが、ちゃんと青春してた高校生はどれくらいいるのかって言葉で、なんか救われました。

  • いまいち面白いと思えず。高校生の頃に読んでたら面白かったのかなー。

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夜のピクニック (新潮文庫)の作品紹介

夜のピクニックは恩田陸さんが高校生を主人公にして描いた小説です。
小説の舞台の高校で、24時間耐久のピクニックが学校行事として行われます。高校生が昼食と夕食を食べ、仮眠をとりながらひたすら歩きます、ただ歩くだけということですが、その非日常的な行事を通して、登場人物たちが成長していく作品です。

夜のピクニック (新潮文庫)の単行本

夜のピクニック (新潮文庫)のKindle版

君と時計と嘘の塔 第一幕 (講談社タイガ)

綾崎 隼

読了後すぐに続きが読みたくなる、新しいタイムリープミステリー。

タイムリープをテーマにした作品は様々ありますが、この作品では、タイムリープするたびに大切な人が消えていきます。それも、存在していたという痕跡すら残さず。とても残酷な条件です。
物語は、このタイムリープというSF要素と、解決策を模索し、大切な人を救うべく奔走する主人公たちの青春要素が合わさった、青春ミステリーです。
前半、小学生時代についた些細な嘘によって心に残った消えない傷や、母親との些細な口喧嘩といった、主人公の幼ない言動が印象に残りますが、タイムリープを目の当たりにした直後から、一気に様子が変わります。また、協力者となる先輩や、自分もタイムリープしていると言う同級生など、新たな登場人物もあり、彼らと今後どのように関わっていくのかも気になるところです。
優しくて美しいミステリーを紡ぐ、綾崎さんの新シリーズ、読了後すぐに続きが読みたくなる一冊です。

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