夜のピクニック (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2006年9月7日発売)
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本棚登録 : 48364
感想 : 3995
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3年前に「まなの本棚」を読み終わった時に、
「不思議の国のアリス」「夜のピクニック」「そして誰もいなくなった」を読もう!と決めました。
残っていたのが「夜のピクニック」でしたが、ようやく読めました。

図書館などで何度も手に取りながら先延ばしにしていたのですが、1月と2月を

・読みかけて途中で放置したままの期間が長い本。
・読みたい、読みたいと思いながら、ずっと読めていない本。

を10冊くらい読了するための期間とすることにしたんです。

とても読みたいor読みかけの本が40冊程たまっているので、これを半分くらいにしたいから。

この「夜のピクニック」は、まず最初の印象が「こんなに分厚いの!」でした。
450ページもあるので気楽に手を付けられず、3年も放置してました。

いざ読み始めると、すぐにのめり込んでいました。
青春時代の恋物語。
誰と誰がつき合ってるとか、誰が誰に好意を寄せているとか、自身の学生時代もこんな感じだった。

好きなんだけど打ち明けられない。
告白して断られたらこの後の日々が辛い。
この気持ちは自分の中だけにしまっておこう。
いやいや、いろんな経験をするのが青春だ。
いつかデートに誘ってみよう。
でも、どこに行って何を話せばいいのかわからない。

いろいろと、探りを入れたり、冷やかしてみたり、しらばっくれたり、友人と同じ人に恋してるのに気づいたり。
大人になっても変わりはしないが、青春時代は経験値が少ない分、想像と現実がゴチャゴチャになっていたなあ。

さて、本物語の主人公は、西脇融と甲田貴子の二人であるが、この状況に自分が置かれたら辛い。
この相手にだけは「誕生日、おめでとう」という言葉が重苦しい関係性で、しかも毎日顔を合わせる同級生。
傍から見ると、お互いに相手のことを気にしているのが分かるのに、常に距離を置いていて会話も交わさない。
歩行祭で何が起こり、何が語られ、この二人がどうなるのかに注目しながら読み進めることになる。

貴子は融とある約束を取り交わすことに成功したが、その時の親の気持ちを考えると複雑だ。

「夜のピクニック」は本屋大賞受賞作品であり、ブクログでも5000人以上の人がレビューを書いている。
もっと早くに読んでおけばよかったという本は何冊かあるけど、本書もそのうちの1冊でまさに名作だと思います。

登場人物と同じ高校生が読むといいのかな?と思ったが、芦田愛菜さんは中学生の時に読んで感銘を受けているんですね。
幅広い年齢層に広く受け入れられる物語なのでしょう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説 - 日本
感想投稿日 : 2024年1月30日
読了日 : 2024年1月30日
本棚登録日 : 2021年1月20日

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コメント 1件

まいけるさんのコメント
2024/01/30

わたしはこの高校の卒業生なので親近感があります。ありがとうございます!

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