山峡の章: 松本清張プレミアム・ミステリー (光文社文庫 ま 1-32 光文社文庫プレミアム 松本清張プレミアム・ミ)

著者 :
  • 光文社 (2014年1月9日発売)
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感想 : 5
4

若き女性にとって「結婚がゴール」 となされていた時代があった

「その一年前、朝川昌子は女子大を卒業した。
一人で九州を旅行してみたいというのがかねての望みだったが、
それが在学中は実現せずに、学校を出てから
初めてかなえられたのである。」

松本清張『山峡の章』の冒頭
この一節をとってみても時代がわかろうというもの
今とは全然違うのである

その旅行中にひょんなことで、東大出の経済官僚の堀川と知り合う
朝子は交際一年もしないうちに結婚することになる

旅行中に知り合ったとはいえ「三高」
高学歴、収入安定おまけに背が高い理想の結婚のはず

ところが、ところがである
うまくいかない
エリート意識の高い堀沢の冷たさばかりではない
朝子のほうもいけない

旅行で知り合った時に堀沢の友人も一緒だった
だだし、彼の職業も履歴もわからず
おまけにずんぐりむっくり、朝子は堀沢を選んだ

しっくりしない新婚生活に悩む朝子に
妹と夫の失踪、死体発見の展開が待っていた

と、ミステリーは流れる

わたしは文藝春秋社の松本清張全集の38巻までしか
持っていないから未読がかなりある
最近、光文社でプレミアムミステリーと銘打って
あった文庫本を本屋で見つけた(おやおやもう第二弾か)
読んであるのも、ないものもあるけど

まだ読んでいないものを見つけると嬉しくなる
やはり清張さんの文章は落ち着く(うまいのである)
冒頭の文章からして安心してはまった
(その時代に同時に生きていたいう安心感もあるのだろう)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2014年
感想投稿日 : 2020年5月8日
読了日 : 2014年1月21日
本棚登録日 : 2020年5月8日

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