迷宮百年の睡魔 (GENTOSHA NOVELS)

著者 :
  • 幻冬舎 (2004年3月1日発売)
3.55
  • (24)
  • (26)
  • (77)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 281
感想 : 26
4

以前に読んだ「女王の百年密室」の
延長線上にある感じの作品。

舞台は22世紀初頭、主人公は
テクニカルライタのサエバ・ミチルと
相棒のウォーカロン(ロボット)ロイディ。

この二人が、小島に建てられた城塞都市に
取材に行くところから物語は始まる。

この島は、百年間外界との接触を絶ってきた。
今は周りを海に囲まれているが、
以前は周囲が全部森だった。でもある日、
森の気が全て消えて、海になってしまった。

...こんな不思議な伝説を持つ島の、
ちょっと不思議な住人たちとのふれ合い。
ミチルの過去とつながりがあるらしい王様。
王様と謁見中に起きる不可解な殺人事件。
王の母である女王と、前作との意外なつながり。

王の部屋で気分が悪くなったミチルが、
目を覚ましてみると、島の周りの海は消え、
砂漠に取り囲まれていた...

こんな荒唐無稽で、とても魅力的なお話。
しかもここに、前作で明らかになった
ミチルの過去に起因する現在の特殊な事情が絡む。

前作で「よくぞこんな設定を思いついたものだ」
と感心していたら、本作ではさらにその
ナナメ上を疾駆するストーリー展開。

アクションシーンも織り交ぜつつ、
新たに起こる同じ手口の殺人事件や、
ミチル自身も知らなかった過去の秘密。

いっぱいいいっぱいの内容なのに、
ゆるめるべきところはテンポをゆるめ、
ロボットが見せる小洒落たリアクションなど、
嫌みのない演出も効いていて、読みやすい。

読み始めたら、一気です(^ ^
ぜひ、前作を読んでから挑戦してください(^o^

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2010年7月16日
読了日 : 2010年7月16日
本棚登録日 : 2010年7月4日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする