いたいけな10代の女の子を描かせたら右に出る者はいない、というトリコさんの魅力がぎっちりと詰まった一冊。
はたから見ると、なんとも楽しそうに呑気に生きているようにみえる広たち「家族」の笑顔の向こうにある傷付いた泣き顔、そして「みんなと同じじゃなきゃダメですか?」「フツーと違うってそんなにいけないことですか?」そんな叫び声が聞こえてくるようで。
本当の自分をありのままさらけ出し、それを丸ごと受け入れてくれる人と一緒に暮らしたい。ただそれだけなのに、彼らにとってその幸せのなんと障害の大きなことか。
ミドリのことを思えばやはり母と一緒に暮らすのがいいのかもしれない。でも、だけど(はご法度ですが)そのフツーの幸せとは違うちょっと変で当たり前じゃない幸せを、ミドリがいつか自分の心で感じることができれば、と思わずにはいられなかった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2014年6月
- 感想投稿日 : 2014年6月20日
- 読了日 : 2014年6月20日
- 本棚登録日 : 2014年6月20日
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