安心社会から信頼社会へ: 日本型システムの行方 (中公新書 1479)

著者 :
  • 中央公論新社 (1999年6月25日発売)
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感想 : 86
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誰のオススメ本だか定かではないのだが、素晴らしい気付きをいただきました。(読んでいる最中に、TBSラジオで尊敬する宮台真司氏もこの著者、山岸俊男を尊敬しているとかたっていました)
第一章
・ 「安心」とは相手が自分を搾取する意図がないという期待の中で、自己利益の評価に根ざした部分。
「信頼」とは相手が自分を搾取する意図がないという期待の中で、相手の人格や自分に対して抱いている感情についての評価にもとづく部分(*社会的不確実性が
存在している場合に意味をもつ)という言葉の定義と、
これまでの日本が安心してこれたのは、社会的不確実性が存在しているにもかかわらず、集団や関係の安定性がその内部での勝手な行動をコントロールする作用をもっていたから
第二章
・ 常識として語られている集団主義的行動(集団の利益を優先した協力行動を取り易い)のはそう行動することが自分を利する「しくみ」が社会の中に存在しているからであり、その背景には、日本の『恥の文化』(集団内での非協力行動に対するコントロールが、その行動に対する相互規制により個人の外部から維持されている)ことによるものであり、そういった規制を取り除いてしまうと日本人はアメリカ人(『罪の文化』をもつ)に比べても、集団主義に行動しえなくなる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年7月3日
読了日 : 2013年7月3日
本棚登録日 : 2013年6月27日

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