東大卒の警察庁長官官房総務課長のキャリア、竜崎。家庭をまったく顧みず、エリート意識の元、ただただ国家のために勤め上げてきた。
都内で発生した連続殺人事件。過去に残忍な殺人を犯しながら、少年法に守られ出所したかつての少年たちが殺されたのだ。現場の指揮をとったのは、竜崎の幼なじみである伊丹。小学生の時に伊丹にいじめられた記憶が残る竜崎。捜査が進む内に、犯人は現役警官なのでは、という疑いが出てきた。警察全体の失墜に波及しそうと見ると保身に走る上層部。そしてまた、息子がヘロインをやっているところを見つけてしまった竜崎。いずれの事件ももみ消すことになるのか、それとも正義を貫くのか。。。。
ほとんど期待してなかった分、スピード感もたっぷりでおもしろかった。横山秀夫とはまた違った観点で描かれた警察小説だね。
横山秀夫の『深追い』とか『第三の時効』とかは、現場警官の鬱屈した思いが描かれていて読み応えがあったし、今回の『隠蔽捜査』はトップを目指すキャリアの苦悩が描かれていて、その違いにも興味がわきました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2010年8月15日
- 読了日 : 2006年1月23日
- 本棚登録日 : 2006年1月23日
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