第4章の「専門家とアマチュア」が特に面白い。知識人の独創性や意志を脅かす要因として、専門分化や、政府機関等から与えられる特権や褒章などが挙げられている。
知識人が自らの志す考えをできる限り変節を経ずに突き詰めていくのであれば、孤独な「亡命者」となって、アマチュアとなるのが良いとの主張について、その通りだと思いつつ、自分だったらどうするだろうか、生活基盤を整えることを優先してしまうのではないか等考えてしまった。
サイードが言っているのは清貧を極めろということでは必ずしもない気がするが、知識人たろうとするなら、そのような覚悟は必要なんだろうと感じた。
5章はじめに出てくる専門用語癖の学生のちょっときたエピソードも面白い。
知識人が、孤独な亡命者でありつつも、安定的に表象や発信を続けていくためには実際何が必要なのかということが気になった。
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- 感想投稿日 : 2022年3月20日
- 読了日 : 2022年3月20日
- 本棚登録日 : 2022年3月20日
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