日本の山歩きが頂上を目指す垂直志向が主流であるのに対し、欧米では原生自然の中を水平に移動するというスタイルも一般的なのだそうです。世界各地のロングトレイルを経験した作者が、歩き旅の魅力や自然との関わり方を熱く語った一冊です。
それにしても欧米のトレイルは、距離や規模、自然保護への取り組み方も、日本のそれとはケタ違い。本書ではこの分野の先進国であるアメリカの自然環境保護運動の歴史や、アウトドアの概念、道具への思い入れなども紹介されていて、学ぶところがたくさんありました。
自然を愛し、世界中の森林・原野・山地を歩いて旅をし、国内の環境保護や、信越トレイル開拓に力を注いでこられた著者ですが、現在は筋萎縮性側索硬化症という難病を患っておられるようです。日本の自然には四季があり、他に類を見ない美しさであると著者はおっしゃっています。多くの人がその意思を受け継ぎ、日本の美しい自然が未来永劫守られることを願ってやみません。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
アウトドア
- 感想投稿日 : 2012年10月6日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2012年10月6日
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