城下の人 (中公文庫 M 75)

著者 :
  • 中央公論新社 (1978年7月10日発売)
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本棚登録 : 202
感想 : 16
5

明治・大正・昭和を生きた元士族の手記。子供時代に神風連の乱、西南戦争を体験し、20代を軍人として終え、30にしてロシア留学に旅立つまで。作者の長子の編集力がいいのか、とにかく読みやすくて面白い。

徳川の時代が終わったばかりの日本人の行動・思考は今とかなり異なるように見える。おおらかだし、感情表現が豊か。西南戦争時の薩軍と熊本の子供の交流などは、ファンタジーを読んでいるかのよう。

作者は自分の弱点をごまかさず、弱かったりずるかったりするところも正直に書いていく。続きの3巻を読むのが楽しみ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本 - 記録/手記/ルポルタージュ
感想投稿日 : 2010年12月28日
読了日 : 2010年12月27日
本棚登録日 : 2010年12月28日

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