戦中派虫けら日記: 滅失への青春 (ちくま文庫 や 22-15)

著者 :
  • 筑摩書房 (1998年6月1日発売)
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本棚登録 : 167
感想 : 9
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2010/05/21 - 読み終わった。あと2ヶ月ちょっとで東京大空襲。山田さんはどうなったのか気になるので、続編を「読みたい」リストに追加。

2010/05/19 - 昭和19年の10月まで読んだ。戦争中、人々は戦線が縮小していき、いずれ本土が爆撃されるのを何カ月もかけて味わっていた。ものすごい心理的拷問だと思う。作者が後書きで、空襲自体よりも空襲前に受けた心のダメージの方が後々まで治らなかった、と書いている意味がやっとわかった。子供のときに読んだ、児童書に描かれた戦争ではわからないことだった。

2010/05/14 - 戦争当時若者だった人の本は、もしかして初めてかもしれない。学童疎開して、とか戦地に行って、ではない戦争中の記録。

昭和17年には食べ物がたくさんある。次の年にはもう餓死者が出始める。独り3畳間に住んで毎日10時間工場で働いて、それでもこんなに質の高い文章を自分のために書き続けられるとは、山田風太郎はすごい人だ。

半分読んだ今の感想。独りでなんとか将来を見ようともがく若者が、まだ何年もお腹をすかせたまま生きていかなければならないことに、心が痛む。そして日記なのに、先が気になって仕方がない。山田風太郎はすごい人だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本 - 日記/書簡/紀行
感想投稿日 : 2010年5月14日
読了日 : 2010年5月21日
本棚登録日 : 2010年5月21日

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