21:第一次大戦時のドイツ。イェルクはフランス軍との戦闘中に重症を負い、伯爵と名乗る不死の魔物に救われて実体と虚体の二つの存在に分かたれる。ヒトとヒトでないものが入り交じる欧州で、ヒトでないものの視線を交えて語られるからこそ重みを持つ暴力と希求の歴史。
装画が素敵で、読み終えてから改めて見直したら涙出た。いつの時代、どこの国でも変わらない普遍的な愚かさが描かれていて、落胆すると同時に「エッフェル塔」の希望は失われてほしくないなと。容赦のない重厚さと、清涼な軽やかさで紡がれる歴史ファンタジー。めちゃ面白かった……!
「破滅の王」に比べ、ファンタジー要素が強めのぶん読みやすかったのですが、もしかしてえぐさはこちらの方が勝っているのでは……。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
本・雑誌
- 感想投稿日 : 2019年4月21日
- 読了日 : 2019年4月21日
- 本棚登録日 : 2019年4月21日
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