芋虫 江戸川乱歩ベストセレクション2 (角川ホラー文庫 え 1-2 江戸川乱歩ベストセレクション 2)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング (2008年7月25日発売)
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本棚登録 : 2116
感想 : 149
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江戸川乱歩の作品の中でも、ミステリ色ではなくホラー色の強い作品が詰まった一冊。

乱歩の描くホラーには、体の内側を這うようなねっとりとした気味の悪さがある。それでも読み進めてしまうのは、どこか共感してしまうからではないだろうか。読んでいると、平生では片鱗さえみせない感情が刺激され、顔をむくりむくりとだしてくるのである。そして芽生えてきた、共感できてしまう自分にもまた恐ろしさを感じるのである。しかし私はその恐ろしさすらも愛おしく思ってしまうのだ。

私は、『赤い部屋』が1番のお気に入りである。
偶然を操り人を殺めていく語り手。自分にもできてしまいそうな、そして自分も同じように殺されてしまいそうな、そんな身近さを感じる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ホラー
感想投稿日 : 2021年2月6日
読了日 : 2021年2月6日
本棚登録日 : 2021年1月24日

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