闇の守り人 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2007年6月28日発売)
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感想 : 739
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精霊の守り人の次のお話で、バルサが自分の過去と向き合うために故郷のカンバルに戻り、怒りと葛藤と戦うという物語です。あとがきにもあったとおり、子供より大人が読んだほうが面白い内容です。

今回もカンバルという国の文化がたくさん出てきて非常に興味深く感じる部分がありました。特に生と死にまつわる部分は興味深く、昔からの言い伝え等のその土地の独特さを感じました。

バルサとジグロの逃亡の過去から生まれた怒りと葛藤、悲しみ、苦しさ、時にはあったであろう笑顔の時間を想像しながら読み進めていくと、クライマックスであろう山の底の闇の中での槍舞にはグッとくるものがありました。バルサが自分ひとりではどうすることもできない時期をジグロが様々な葛藤の中で育ててくれた優しさと死ぬ間際に話した言葉を思い返すと、育ててもらったことへの感謝というのは死ぬまで感謝なんだと改めて考えさせられました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2021年1月9日
読了日 : 2021年1月6日
本棚登録日 : 2021年1月9日

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