午後の曳航 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1968年7月15日発売)
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英雄になりたい息子の願望を抑圧するのは
母親のちらつかせる涙である
そのジレンマを解消するのは、父親の与える教養だが
平和のお題目が唱えられる現代
父には、母の押し付ける偽善的世界観を論破しきれない
息子はそれに失望する
子供としての自由が失われる前に、母のつけた枷を引きちぎらなければ
そう思い、焦る彼は
ある極端な英雄的行為をそそのかされるのだった
それは、法の守りを保険としたもので
しかも相手は本当の父親ではなく
そのうえ他人の思いつきに流されただけの
英雄的とはとうてい言えない行為だが

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感想投稿日 : 2017年8月5日
本棚登録日 : 2017年8月5日

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