魔法使いはだれだ ― 大魔法使いクレストマンシー

  • 徳間書店 (2001年8月29日発売)
3.70
  • (104)
  • (125)
  • (218)
  • (13)
  • (0)
本棚登録 : 1017
感想 : 99
4

大魔法使いクレストマンシーシリーズの一応3作目。
このシリーズをこの本で4冊読み、私達の世界の言葉でいうパラレルワールドでの出来事という世界観にもだいぶ慣れてきました。とはいえ、前半のゆっくりなペースから、後半の怒涛の展開、というパターンは、他の作品と共通していて、途中から惹きこまれて読んでしまいました。他のことが出来なくなる罠のような作品です(笑)。
前半、惹きこまれ方がゆっくりなペースなのは、舞台となるパラレルワールドがどういう設定なのか、読み進めていくうちに分かってくるという描かれ方のせいかもしれません。今回、召喚され…いや、呼び出されたクレストマンシー自身が、どういう世界かを生徒たちから情報を集めて掴んでいくのを読み、まさに読者も同じことをしているなと感じました。いやいや、クレストマンシーも大変ですね(笑)。
シリーズの他の作品も読むと、この作品に登場するクレストマンシーが誰で(クレストマンシーは役職名なので)、どういう人物かがわかってきます。そういう意味では、1作だけしか読まないのは勿体無いです。あの、「何を考えているかわからない目つき」とか伏線がありまくり(笑)。
ナンやチャールズ達のいる元の世界が灰色なイメージなのに比べ、ラストの世界が虹色な感じで、「魔女と暮らせば」や「クリストファーの魔法の旅」みたいに嫌な人物もそれほど出て来ず、読後感がなかなか良かったです。子供達の中に意地悪な子も出てきますが、そこは成長途中の子供達ですしね。
1つの作品も、後半に掛けて惹きこまれますが、シリーズとしても、何冊も読んでいくうちに「もっと次の作品を読みたい」と思うシリーズです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ファンタジー
感想投稿日 : 2013年9月28日
読了日 : 2013年9月28日
本棚登録日 : 2013年9月28日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする