2100年の科学ライフ

  • NHK出版 (2012年9月25日発売)
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感想 : 69
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・2012年に出版された2100年の未来予測。中長期で2030年、2070年、2100年までの間で我々の身近に起こり得るテクノロジー予測。
・本書のなかでは通勤がなくなる自宅でのリモートワークはまだ実現されていないとなっているが、
2021年現在ではコロナによりテレワークが普及。
・2030年までに普及されるものとして、インターネットに接続されたコンタクトレンズや自動運転、壁面スクリーンなど。
特にスマホなどの携帯用機器が全てコンタクトレンズに集約され、生活が拡張現実とともになる。
・外国人同士の言語の障壁は、万能翻訳機とインターネットコンタクトレンズやインターネット眼鏡によって次第になくなると予測。
・2100年までに実現が予測されることとして、心で物を支配するということ。
すでにその土台はできており、脳卒中で身体付随となった患者の脳にコンピューターをつなげ、思考だけでコンピュータを動かすことはできている。
・また近いうちに脳の活動を測定するだけで、人が目で見た物の写真を再現できるかもしれないとのこと。
また装置の電極は小型化し、人間は相手の思考を読んで、ただ考えるだけで対象に命令ができるようになる。
・夢までも録画できるとのことだが、人の思考はあいまいなため、録画できても画像の質はがっかりするものになる可能性がある。
また電極を脳につけて密接になる必要があるため、離れたところから人の心を読むのは難しい。倫理的観点からも許可なく人の意識に入ることは法律で制限されるかもしれない。
・MRIが硬貨くらいの小型化になり、誰もがいつでも自宅で自分の体内を検査することが可能。
・テクノロジー進歩の行き着く先は念力(テレキネシス)の獲得。
超伝導体というものを使えば、思考によってほとんど力が要らずに物を動かせる。
さまざま物体の中に小さな超伝導磁石を入れ電流を流すと、強力な磁場が生じて物が動かせる。
・資金さえ投じれば人間の脳のモデルをコンピュータでつくることも可能。ただし大量の電力と熱が必要になる。人間の脳はほとんど電力も熱も消費しないが、スーパーコンピュータをあっさり上回る。さらに人間の脳は銀河系の自然界がつくった最も複雑なもの。
・未来はフレンドリーな人工知能の制作と、人間自身がロボットとの融合強化が進んでいく。
・究極のシナリオは、人類はお荷物の体を完全に捨て去り、人格をコードしたソフトウェアプログラムとなる。全人格をコンピュータにダウンロードする。
・穴居人の原理という観念。
どんなにテクノロジーが進化しても、人間の脳は穴で暮らしていた頃と変わらない。
・遠い未来では、遺伝子の老化を遅らせることが可能になり、150歳まで生きられるかもしれない。
・カロリー制限は延命効果が保証されている唯一の手段。
・ナノセンサーによって発症する何年も前からガンを見つけ出す
・さらにバイオテクノロジーにより、無傷のDNAを採取して絶滅した生物や、死んだ人間を蘇らせることもできる可能性があるという。
・ただ病気に関しては、2100年になっても最先端技術で治せない病気は必ず存在する。ウィルスは常に変異してしまうからだ。
・ナノテクノロジーではナノ粒子を血中に入れて直接がん細胞をやっつける医療革命がおきる
・昔は紙や電気、水などが貴重なものであったが、紙はゴミへ進化し、電気や水は公共サービスとなる。これからはチップがゴミになる時代がくる。
・仕事もロボットに代替されるものは生き残れない。単純な仲介業者、銀行窓口、経理担当などは仕事がなくなる可能性がある。
・これからは役に立つ見識を持つ人が勝つ。
・この本で取り上げているテクノロジーの革命はすべて、惑星文明の創造に向かっている。
・文明をタイプⅠの惑星規模、タイプⅡの恒星規模、タイプⅢの銀河規模に分けると、現在の文明はタイプ0.7
タイプⅠに到達するのに100年かかる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未来
感想投稿日 : 2021年6月27日
読了日 : 2021年6月27日
本棚登録日 : 2021年6月27日

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