責任を回避する政治家に対し私たちにできることは政治責任を取ることである.
これがこの本の主張の1つで、これだけでは一見よくわからないが、このことを厚く丁寧に論じる.適宜これまでの議論を要約したり読者の便宜を図る工夫がされていて高度な内容の割に読みやすくなっている.
印象的だったのは、シェイクスピアを引くアーレントの解説箇所.
“時のたがははずれた、呪われよ
それを正すために私が生まれたことは“
というハムレットの1節をアーレントは「責任」を論じる際に引く.一見何のことやらな文章だが見事な説明が与えられていた.気になる方は実際に本書を手に取って確かめてほしい.
政治、民主主義に関心のあるすべての人におすすめ.
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年9月18日
- 読了日 : 2022年9月18日
- 本棚登録日 : 2022年5月3日
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