この本は大きく分けると2種類のコンテンツがある。
1つは不倫の文化史。不倫は古今東西様々な形で行われてきたことについて丁寧に説明。
もう1つは不倫の必要性を認めたうえで、それをどのような形で害なく実行できる体制を社会が整えるべきかを説いている。
1つ目のテーマは面白い。著者がよく勉強しているであろうこともわかる。
けど、2つ目のテーマに関しては著者が何を言わんとしているのかよくわからなかった。
「不倫ウイルス」という言葉を定義づけをきちんと行わずに導入し、それをいかに根絶するかを説いているのだが、そもそも対象がきちんと定義づけされていないから何を言わんとしているのかよくわからない。
1つ目のテーマについては充実しているだけに、残念である。
■自立とは、多くの依存先を確保している状態を指す
■生物学的に見れば、一夫一妻制はガラス細工のように壊れやすい代物
■人類が狩猟型生活を行っていた時代には、階級が生じにくいことから一夫一妻制が多数派だと考えられている
■一夫多妻制の社会で複数の妻を持つのは5~10%程度の裕福な男性のみ
■18世紀までのヨーロッパでは、性に関して自由主義的な考え方が普通だった。が、アメリカに渡ったピューリタンは極めて性に厳格
■不倫によって得られる強烈な性的快感は人生の充実に影響を与えない。覚せい剤の使用と同じようなもの
■近代以前の社会には、「リスクの少ない、制度化された婚外セックス」が存在していた
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年11月8日
- 読了日 : 2015年11月3日
- 本棚登録日 : 2015年11月8日
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